NPO法人
ふれあいにこにこの丘
チャレンジ分野:

プロフィール

2005年NPO法人ふれあいにこにこの丘設立

    ミッション「地域で安心に暮らし続けていくために、身近な課題を地域の人々が共有
    し、近隣で助け合うことにより、住み慣れた地域で安心した生活を送るための手助けに
    なる」

    活動の目的
    1.元気な高齢者の社会参画
    2.助け合い互助活動の循環
    3.「ここで生きる」ことへの共感

    事業内容
    1.共存型「居場所」あがらっしゃい
    2.食事の提供
    3.移送サービス
    4.子育ての支援活動
    5.日常生活支援サービス
    6.地域住民の困りごと相談
    7.料理講座
    8.地域のサロン活動支援
    9.旬酒会 通称 男の居場所

2020年やまがた公益大賞 グランプリ受賞
2020年やまがた公益大賞 グランプリ受賞

チャレンジのきっかけ

 天童市にあるNPO法人ふれあい天童の事業所を見学し、年齢を重ねても誰もが自分らしく暮らすことができて、地域で支え合う場所があることを知る。その後一年間、天童の事業所へ見学に通い、その活動の必要性を感じて自分の地域でも事業を始めることを決意。活動のスタッフとして、友人知人に声をかけると仲間が集まり、空き家になっていた一軒家を拠点として、居場所づくりと移送サービスから活動をスタートさせた。NPO法人ふれあいにこにこの丘は、今から15年前の2005年に設立し、住み慣れた地域において、高齢者が自立し、安心して暮らしていくための支援を目的としている。

チャレンジの道のり

 事業開始当初は、「介護保険があるのに、なぜそんなことをするの?」など、活動への理解が得られないこともあった。しかし、公的福祉サービスや制度だけに頼らず、地域における支援活動が構築されることで家族や周囲の負担も軽減される。そして、高齢者が介護状態になることを予防できるなど、活動の想いや役割を丁寧に伝えながら活動を続けた。その結果、少しずつさまざまな形で地域の方が協力してくれるようになり、取り組みが実を結び始めて、利用者やボランティアスタッフが増えていった。
 現在は、スタッフ25名(女性20名男性5名)理事3名、監事1名、会計・事務担当6名で運営している。スタッフ会議の中で企画をして、利用者の特技などを活かした内容も盛り込んで、毎日活動している。

スタッフミーティング

現在の活動内容

 現在の活動内容は、共存型居場所「あがらっしゃい」、食事の提供、移送サービス、子育て支援活動、日常生活支援サービスの5つに分かれている。居場所の活動では、月曜日が絵手紙、火曜日が音楽療法、水曜日はパソコン教室があり、その他にも習字教室や体操など、さまざまな講座が開催されている。利用者の方からは「ここに来るのが楽しみなんです」「歌ったり身体を動かせるのが気持ちいいです」「ここで会える人とのおしゃべりが楽しいのよね」などの声が聞かれた。
 通常の支援以外にも、地域の困りごと相談、料理講座、百歳体操などの自主サロンの運営、男の居場所として男性サロンも開催。また、地域の互助の必要性についての研修会も実施。

 利用者に行った「日常生活で話をする居場所はありますか?」というアンケート調査では、「話をする場所や機会がない」「全然ない」が70%以上を占める結果となり、ふれあいにこにこの丘の役割は地域にとって大切なものと捉える機会にもなった。
 また、滝山地域絆づくり委員会の事務局として他団体との連携も深めており、町内会の役員や公的役割に捉われない横の繋がりを意識した連携の重要性を伝えている。互助の支え合い活動や学校、町内会の課題についての話し合い、地域づくりに関心のある方との懇談会なども積極的に行っており、山形大学地域教育文化学科の学生とも連携し、インターンシップの受け入れをしながら若い世代との交流や協働も進めている。

  設立から15年の活動を通して、地域の人が居場所に困った時に頼れる安心の場として知ってもらえるようになってきた。また、認知症を患った方の進度の改善や家族からの相談の場として、予防の観点からも大きな意義を果たしており、今後も地域主体の活動として継続していきたいと思っている。

自主サロン:百歳体操
自主サロン:小立町内よもやま話

今後の目標・メッセージ

 高齢者が地域の中で安心して暮らしを続けていくためには、身近な課題を地域の人々が共有し、近隣で助け合うことがとても大事なことである。しかし現状では、何かあったら公的福祉サービスに頼れば良いという意識が強くあり、予防の観点と住民主体の自立した支援活動への理解が課題となっている。「自分だけが良ければいい」ではなくて、地域の力で一人一人が自立しながら互いに助け合う意識と連携を高めていきたいと考えている。 

 「今後も、ふれあいにこにこの丘に関わって下さる方が増えていき、支援者も利用者も気兼ねなく、お互い様の心で助け合う循環型の地域のつながりを更に強めていきたいと思います。子育てに対しての支援も力を入れていきたいと考えています。」

(令和2年12月取材)