プロフィール
2006年 指定居宅介護支援事業所「福祉サポートセンター山形」、指定共同生活援助事業所「ポラリス」、
指定相談支援事業所「福祉サポートセンター山形」開設。
2007年 新庄市日中一時支援事業所「スマイル」開設。
2008年 指定訪問介護事業所「どんぐり」開設。
2012年 指定居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護事業所「どんぐり」、指定就労継続支援A型事業所
「JuJu・マルシェ」開設。
2016年 指定就労継続支援B型事業所「JuJu・若葉」開設。
2019年 子ども食堂「みんなの広場・つばさ」開設。
2020年 新庄市学習支援事業「つばさ学習教室」開設。
2021年 児童養護施設入居者対象「ふたば学習教室」開設。
チャレンジのきっかけ
障がい者福祉政策の一つとしてコロニー施設の建設が始まったのが1960年代。「町から離れた場所に大規模な施設を造って大人数で暮らす」という考えのもと、長い間コロニー政策が進められてきた。しかし、時が経ち、社会状況や当事者の意識の変化などから「街中で普通に暮らしたい」という声を耳にするようになる。そこで、障がいのある人、高齢者、そして地域の人たちが地域の中で共に手を取って歩んでいける共生社会を実現することを目的に事業所を立ち上げた。
チャレンジの道のり
NPO法人として設立し、介護支援と障がい者支援の2本立てで事業をスタートさせた。特別な生活ではなく、障がい者や高齢者がコミュニティの中で生活していくことをコンセプトとしているため、“シャッター通り”が問題視されはじめていた街中に介護支援専門員(ケアマネジャー)を有する居宅介護支援事業所と障がい者向けのグループホームを開設した。当時は新庄最上地域にはそうしたグループホームがなく、「グループホームとは何か」、街の中につくることの意義などを行政や地域住民に一から説明するところから始めなければならなかった。
現在の活動内容
地域の方々が生き生きとした自分らしい生活を送れるよう、コミュニティが持つ潜在力を生かしながら総合的な福祉サービスを提供している。活動は多岐に渡るが、その都度“住民が求めている”ことを事業として展開してきた。
【高齢者支援】
◎訪問介護事業所「どんぐり」
自宅での介護や身の回りの手伝いをするヘルパーを派遣し、行動の援護を行う。
◎居宅介護支援事業所「福祉サポートセンター山形」
ケアマネージャーが常駐し、介護保険のスペシャリストとして、介護相談やケアプランの作成、サービス事業
者との調整などを行っている。
【障がい者支援】
◎相談支援事業所「福祉サポートセンター山形」
障がいを持つ本人や家族の地域生活を支援している。
◎共同生活援助事業所「ポラリス」
障がい者のためのグループホームを運営。
◎地域生活支援事業所「スマイル」
障がい者の日中の活動の場を提供。日常生活の訓練、社会体験の支援、家族の一時的な休息にも利用が可能。
◎就労継続支援A型事業所「JuJu・マルシェ」
新庄・最上の食材を使った料理を提供するカフェレストランをメインに、洋服・雑貨・アクセサリーなども
販売している。
「JuJu・マルシェ」店内
◎就労継続支援B型事業所「JuJu・若葉」
唐揚げ専門店「からあげ十兵衛」を運営。
「JuJu・マルシェ」「からあげ十兵衛」とも、メニュー作りは栄養士や調理師の資格を持つスタッフが中心となり、試作を重ねながら完成させたもの。「安心しておいしく食べてほしい」という思いから、食材は新庄産の鶏肉や地元の野菜を使用。「最上伝統野菜フェア」や「新庄オーガニック&ナチュラルフェスタ」などのイベントにも積極的に参加し、食で地域とつながっている。
両店とも手ごろな値段で買い求めることができるとあって、地域の人が多く訪れる。障がい者の就労施設だと知らない人も少なくない。「福祉」を看板にせず、「あそこの店はおいしいから」「素敵なものを置いているから」という思いで来店してもらうことが継続していくために重要だと考えている。
利用者の意識や表情にも変化が見えてきた。「自分はこんなにできるんだ」「こんなこともやってみたい」と、私たちが思っている以上の力を発揮してくれることも多い。スタッフだけでなく、利用者と一緒に力を合わせて運営している。
【子ども・家庭支援】
◎子ども食堂「みんなの広場・つばさ」
以前は子どもたちと一緒に食事作りを行ったが、コロナ禍により現在はお弁当の配布を中心に活動中。
◎「つばさ学習教室」
新庄市から依頼を受け、ひとり親世帯や生活困窮者の子どもを対象に学習支援を行っている。
◎「ふたば学習教室」
児童養護施設の子どもたちを対象に学習支援を実施している。
新型コロナウイルス感染症の影響が長引く状況下で、県から受託している事業もある。
◎令和3年度山形県子どもの居場所における相談機能強化事業
家庭生活や子育て、経済的な悩みを持つ人たちからの無料相談(電話とLINE)、フードパントリー(食材料の無料
配布)を実施している。
◎令和3年度やまがた女性のつながり緊急サポート事業
「子ども食堂」開催日に合わせ相談コーナーを設置し、生理用品の配布も行っている。同日に、交流イベント
も開催した。12月の蜜蝋のハンドクリーム作りでは、楽しんでもらいながら悩みごとを話し合うなど、それぞ
れが困りごとや不安を持ちながら生活していることを実感した。
今後のイベントでも、楽しい時間を過ごしながらも、本当に支援を必要としている人、困っている人に情報や物品を届けられるよう、発信していくことの重要性や必要性を常に意識しながら行っていきたいと考えている。
今後の目標・メッセージ
職員はもちろんのこと地域ボランティアの協力も得ながら、地道に取り組んできたことによって、ようやく存在が認めてもらえるようになったと感じている。今後も、民間の良さを生かし、臨機応変にできるだけすばやく地域のニーズに応えられるようにがんばっていきたい。