特定非営利活動法人
子ども支援フェイスブックプロジェクト

プロフィール

平成23年12月  任意団体「子ども支援フェイスブック」を立ち上げ
平成25年 3月  NPO法人「子ども支援フェイスブックプロジェクト」を設立
平成25年12月  「子ども未来サミット」を開催

(実施事業)
平成24年度  「マイデコヘルプロジェクト」
       ママのためのお話し会withフェイスブックプロジェクト」
       「ファーストライトプロジェクト」
       「子ども達のスタディツアーの支援」、他
平成25年度  「子ども未来創生計画(子ども放送局、子ども未来白書、子ども未来サミット)」
       「週末寺子屋~子ども大学~」、他

チャレンジのきっかけ

「子ども支援フェイスブックプロジェクト」は、フェイスブックを利用して被災地の子どもたちを支援しようという、前代表理事(現顧問)の 仙道富士郎氏(元山形大学長)の呼びかけからスタート。これに呼応して、現代表理事の平尾清さんをはじめ、福島県からの避難者に対する支援活動などを通じて知り合った様々な職種の人たちが集まり、新しい支援活動について話し合いを続ける中から同プロジェクトが誕生した。
役員理事でプロジェクトアドバイザーの佐々木利恵子さんは長井市にある山形工科短期大学校に勤めながら、活動に参加している。「このプロジェクトの最大の特徴は、ソーシャルネットワークのフェイスブック(以降FB)を使った幅広いネットワークの活用です。プロジェクトを企画・実施する際、ネット上で意見を活発にやり取りしながら進めています。私は、ゆうキャンパス(大学コンソーシアムやまがた)で平尾先生と知り合い、何かをやりたいと思っていても一人では実現できない方や、色々なアイディアを持っている方を、FBを介して繋がってもらい、その力を子供たちが夢を持って未来を描ける活動に活かしていきたいという先生の思いに共感して参加することにしました」

チャレンジの道のり

平成23年12月、任意団体「子ども支援フェイスブック」を立ち上げ、FB上で提案の募集を開始。間もなく「子どもたちに情報発信の機会を与えよう」という提案があり、平成24年度にメンバーによる議論を経て、平成24年度に福島から避難してきた子どもたちがビデオカメラを持って自分の撮りたいものを撮影し、発信する「ファーストライトプロジェクト」として実行に移された。このほか、真っ白いヘルメットにデコレーションを加える防災教育「マイデコヘルプロジェクト」、福島から避難してきた母親に心の内を語ってもらう「ママのためのお話し会withフェイスブックプロジェクト」、被災地を回り、地元の人たちと交流するバスツアー「子どもたちのスタディツアーの支援」なども、FB上での提案を経て実現。また、福島県から避難してきた子どもたちに学習支援の場を提供する「週末寺子屋~子ども大学~」も実施された。

「こうした支援活動を続けていく中で、メンバーから、子どものための活動を目指しているのに、子どもたちの声をきちんと聞いているのかという問題提起があり、現在の活動の柱の1つ、『子ども未来創生計画』が生まれました」

現在の活動内容

平成25年3月、NPO法人を設立して大きな一歩を踏み出した活動は、現在、「子ども未来創生計画」と「週末寺子屋~子ども大学~」の2つが主体。このうち、平成25年から開始された「子ども未来創生計画」は、被災地の復興計画のなかで将来活躍する子どもたちに発言発信の機会を創っていくプロジェクト。子ども放送局、子ども未来白書、子ども未来サミットの3本柱で構成されている。

子ども支援フェイスブックプロジェクト
役員会議の様子

 

「子ども未来放送局は、子どもレポーターが興味のある分野について自ら取材し、大人のサポートを得て、メッセージビデオとして発信するもの。子ども未来白書は、子どもの未来に対する思いなどをアンケート調査し、白書にまとめて、関係機関に伝えるもの。そして子ども未来サミットは、子どもたちが未来について話し合うイベントで、昨年12月に開催した第1回目では、絵本作家の方を招いてディスカッションし、大人と子どもたちを大学生(大人と子どもの間)が橋渡しとなり、一緒になって未来について考える場となりました」
「はじめのうちはチャレンジでしたが、やってみると手応えがあり、子どもたちが本当に生き生きと、私たちが思っている以上に明るく元気で、逆に私たちが励まされました。宮城、福島、山形の3県から回収した約900人分のアンケートには『こういう機会を与えてもらってよかった』という書き込みもありました。これをデータ化する作業に関わってもらったボランティアスタッフからも、『子どもたちの生の声に触れることができる、子どもたちの気持ちが分かる』という意見が出ています」

子ども未来サミット
子どもPBの様子

今後の目標・メッセージ

「プロジェクトの実働部隊、実行メンバーには、地元タウン誌の編集長やスマートフォンのアプリ開発も手がけるプログラマーなど、それぞれにスキルを持った女性たちがたくさん集まり、縁の下の力持ちになっています。皆さん、子どもたちのために何かしてあげたいと一生懸命になっている、たくましい女性たち、本当に素晴らしい仲間です」

「これからも一本芯が通っている形で、子どもたちが夢を語れる場をつくりたいですね。子どもが元気で夢をもっていると、大人も楽しくなります。未来に目を向け、みんなが楽しみながら、わくわくできるような、そしてそれを通して周りのみんなが元気になれる活動を目指しています。FBでいろんな意見を広く募集し、その中から1つのプロジェクトが立ち上がり、一緒に活動していく中で、また別のプロジェクトが立ち上がる。そんな形で私たちの活動も活性化していけばいいのかなと思っています。10年ぐらいは続けないと流れはつかめないと思います。スタートから2年、まだこれからです」

(平成26年3月取材)