プロフィール
平成23年 3月 「ろはすの会」の設立
平成23年 7月 第1回「子供も・ママも・家族でも!楽しく親子体操!!in新庄教室」開催
(山形県男女共同参画県民企画助成事業、24年2月まで計5回開催)
チャレンジのきっかけ
新庄市でヨガのインストラクターをしている海藤直子さんが「ろはすの会」を設立したのは平成23年3月25日。東日本大震災からちょうど2週間後のことだった。
「メンバーはそれぞれに復興支援に行っていました。でも結局、それだけでは進まないよね、新庄でできることをしたいよね、ということで集まりました」
震災の半年ほど前まで宮城に住んでいたという海藤さん。支援先で耳にしたのは、かつてのインストラクター仲間の窮状だった。
「直接的な被害を受けた人もいれば、教室を開いていた施設がなくなり、活躍の場を失った人もいました。そこで思いついたのが、被災地のインストラクターを講師に迎えるスポーツ教室の開催です。新庄市ではなかなかレッスンを受ける機会がないヒップポップやフラダンスなどの教室を開くことで、参加者同士が運動を通して交流を深め、なおかつ継続的な被災地支援、明るく前向きな交流を広げていくきっかけをつくりたいと思いました」
チャレンジの道のり
会の名前は、ロハス=健康や環境を第一に考える生活スタイル、に由来している。
「ストレスを抱えたり、なかなか自分らしい生活ができなくなってきている中、新庄の自然豊かな環境とうまく調和をとって生活していくことを意味しています。なんとなく、ゆっくりしているイメージがあり、いいかなと思って名付けました」
イベントの開催にあたっては、市民活動に必要な情報の提供やサポートを行っている新庄市の市民活動交流ひろば「ぷらっと」に相談に出向き、支援制度などの様々な情報を教えてもらったという。
「ちょうどいいのがあると申請を奨められたのは、山形県男女共同参画センター・チェリアの補助金でした。思い切ってチャレンジしてみると、子育てや復興支援とも重なり、運よく採用していただきました。また、ぷらっとでは新庄市内で活動されている諸先輩方からのアドバイスも受けることができました。皆さん、親身になって考えてくださり、いろいろと協力していただいたおかげで事業をスムーズに立ち上げ、軌道に乗せることができました」
現在の活動内容
初年度となる平成23年度は、山形県男女共同参画県民企画助成事業の採用を受けて、「子供も・ママも・家族でも!楽しく親子体操!!in新庄教室」を、新庄プラザを会場に計5回開催。被災地のインストラクターを指導者に迎え、親子参加型のキッズ体操やダンス体験教室、誰でも気軽に参加できるエアロビクス・ヨガ等の体験教室を開いた。
「当初は子ども向けのイベントが主でしたから、子どもが子どもを支援するという形を取りたいと思い、収益は全て被災地の幼稚園や小学校に寄付しました。チラシに『楽しく運動して復興支援』と掲げたこの事業により、講師をお願いした被災地のインストラクターのなかには、現地でスポーツ教室を再開している人もいます」
この体操教室は、現在も月1回程度のペースで継続している。当初は告知に苦労したものの、口コミにより、現在では最上地区全域に浸透し、小学校や婦人会などからの出張依頼、講演などの依頼も増えているという。
「当初の1年半ぐらいは、復興支援を第一の目的に掲げていましたが、震災から時間が経ち、落ち着きを取り戻した今は、地域の人たちのための活動へと方向転換しています。被災地へのチャリティーは今も続けていますが、運動して健康になってもらうこと、コミュニケーションを図ることを主な目的に、みんなでゆっくり運動しましょうか、という感じです」
今後の目標・メッセージ
参加者はこれまでは女性が主体だったが、これからは肥満率の高い男性向けの体操教室も企画していく予定。性別、年齢別に的確な運動メニューを提供し、地域の方々の健康増進に貢献していくことがその狙いだ。「女性についても、これからは年齢ごとに対象を区切って、それにふさわしい運動メニューを提供したり、妊婦さん向けのイベントも開催したいと思っています。親子のスキンシップの場としても活用してもらえればうれしいですね」
また、kitokitoマルシェなど、最近、新庄・最上地区で増えている、若い人たちが起こすイベントにも積極的に参加して 「“奉仕の心”を根底に、人とのつながりを財産にしながら」事業を継続していきたいという。「その基本さえ崩れなければ、形はどんどん変化していってもいいと思います。みんなが楽しく活発に活動できるように、私は健康面からサポートしていく。そのために何ができるかを常に考え、常に運動できる環境をつくっていくことが、まずは基本的な目標。みんなが集まり、仲間が増えれば大きな力になる。個人の力ではどうにもならないこともできるようになる。それが最終目標ですね」