プロフィール
平成20年 4月 「ホップ・ステップ・レディの会」を設立
平成20年 7月~ 山形県男女共同参画センターから男女共同参画県民企画事業として採択される
平成20年 9月~ 第1回目の「みんなでキャリアアップ簿記学習会」を開催
平成21年 5月~ 第2回目の「みんなでキャリアアップ簿記学習会」を開催、以後毎年開催
平成23年 3月~ 「一日簿記体験学習会」を毎年開催
平成23年11月 簿記学習会参加費の5%を東日本大震災義援金として寄付(第1回)
チャレンジのきっかけ
山形市立商業高等学校の商業科で非常勤講師として勤務していた”ホップ・ステップ・レディの会”代表の柴田いくよさん。
平成13年から6年間、山形市から委嘱され、『山形市働く婦人の家』で一般女性を対象にした日商簿記3級資格取得講座の指導を行った。
「女性は事務職を志望する人が多く、簿記の希望が多いんです。どんな業種でも必ず必要な『会計』のセンスは、家庭でも役に立ちます。それを身に付けているのといないのとでは、暮らし向きなどの生活スタイルや経済の見方が大きく変わってくると思いますね。せっかく勉強するのだから、仕事にも家庭にも役立つ知識を身につけて欲しいという思いで常に指導しています」
簿記をマスターすることで、出産や育児などで一度仕事を離れた女性たちも活き活きと元気を取り戻し、自信をつけて社会参加していく姿・自分発見を目の当たりにした柴田さん。
「元気になっていく女性たちと一緒に喜び合ったこの経験がきっかけで”ホップ・ステップ・レディの会”を立ち上げました。一念発起し、簿記を通じて女性たちの社会参画や自己実現のお手伝いができればとこの活動を始めました」
チャレンジの道のり
平成20年4月に 『ホップ・ステップ・レディの会』を設立。
同年7月には、山形県男女共同参画センターから男女共同参画県民企画事業として採択され助成金を受け、第1回「みんなでキャリアアップ簿記学習会」を開催した。
じっくりと学んでもらうために、講座は週1回、全21回とし、講義の時間も働いている方でも学びやすいように夜間に設定している。この5ヶ月余りの期間中には、簿記だけではなく自分磨きの習慣も身につけて欲しいと願っている柴田さん。
「現役時代に仕事をバリバリやっていた人でも、家庭に入り家事子育てに追われて10年ぐらいブランクがあると、ステップアップしたいと思っていても自信がなくなってしまい、服装や化粧にも気後れしたりして初めの一歩を踏み出せなくなっています」
「それがすごくもったいない。まずは学ぶことを理由にして、勇気を出して1週間に1回だけでも”自分磨きの時間”を確保し、それを習慣にして欲しいですね。続けていくうちに、資格取得やキャリアアップや同じ思いの人との交流によってなど自分の夢や目標を見つけられると思います」
現在、県立霞城学園高等学校の非常勤講師も務める柴田さんは、親子そろって教えた経験もあるという。
「夜間の簿記学習会でお母さんを教えて、昼は学校でそのお子さんを教えていました。思春期を迎えた子どもと、家庭で一緒に簿記の話や実際に教えあったりすることができて、子どもへの理解や子どもとの会話が増えて良かったと喜ばれたこともありましたね。お母さんが一生懸命勉強する姿は、子供にもよい刺激になると思います」
現在の活動内容
現在、メンバーは5名で簿記講習会では柴田さんがメインの講師となって他の方たちが補佐をしている。
主な活動は、団体設立した平成20年から毎年継続して「みんなでキャリアアップ簿記学習会」を開催。
「”ホップ・ステップ・レディ”の”レディ”は”女性”という意味ではなく”準備”のほうです。最近では男性の参加者も増えてきていて年齢・性別・職業もさまざま。受講者間での交流もあってお互い良い刺激になっているようです」
講座が終わってもこの交流は続けていきたいとの要望もあって、参加OBによる『ボキトモ』が昨年結成されている。
全21回の講義のうち2回は、県内で活躍されている司法書士・税理士や経営顧問・経営者など経済界の多彩な講師を招いての経済講演が組まれている。
「現場の生の情報やそのときに話題となっている経済トピックスをわかりやすく話していただいています。簿記の資格取得だけが目的ではありませんので、この講話から幅広い経済知識とより深い実践力を身につけていただきたいと思っています」
「簿記の楽しさを理解してもらうために、毎回その授業分のレジュメを参加受講者に合わせています」
受講後に行っている受講者からのアンケートには、”最後まで楽しく勉強することができた”との声が数多く寄せられている。山形市はもちろん、上山・寒河江・米沢市からの参加者もいて、全21回の昨年度出席率は”平均87%”と高い数値もその表れだ。
「また、年1回ですが春ごろに無料で一日簿記体験学習会を開催しています。簿記が初めての方も勉強中の方も、みんなで楽しく簿記を体験してもらおうという主旨で始めました。”自分磨きの時間”を作ろうと思っていてもなかなか踏み出せずにいる方は、まずはこの体験学習会へ応募していただければ嬉しいですね」
今後の目標・メッセージ
「それぞれみんな置かれてる環境や勉強のレベルが違うので、資格試験に合格した、しないの関係だけでは進歩がないと思います。この参考書がおすすめとか、実際の業務へのアドバイスなどを『ボキトモ』として情報交換をしながら、お互いにレベルアップしていただくことを願っています」
そんな仲間づくりを実現させるために柴田さんは今、もっと”簿記を好きな人たち””簿記に関心のある人たち”と程良い距離感で長く仲間付き合いができる場を提供できないかと模索中だ
「簿記仲間が集い、お茶を飲みながらリラックスして簿記について語り合う空間『簿記カフェ』を作りたいですね。分かりやすく肩のこらない講義ができる方や「みんなでキャリアアップ簿記学習会OBOG」を指南役に迎えて、その場で自由質問も受け付けながらみんなで楽しい時間を過ごせたらいいですね」
「理解が進むにつれて自信が湧き、また、目標に向かって頑張っている生き生きとした表情を見るのが何より嬉しいし励みになります。勇気を出して”ホップ・ステップ・レディの会”を設立して良かったと思います」