「鶴岡男女共同参画グループさんかく」 事務局
大久保 紀子さん
チャレンジ分野:

プロフィール

平成 5年  夫の転勤で鶴岡市へ
平成22年  鶴岡男女共同参画グループさんかくの発足に関わり、事務局を担当

■さんかくの最近のイベント
平成23年 5月  南三陸町に炊き出し(孟宗汁)
平成23年 6月  さんかくのこんかつ「年下の男の子」
平成23年 9月  南三陸町に炊き出し(庄内の芋煮汁)
平成23年 11月  女性映画監督 浜野佐知さんを囲んでの女子会
平成24年 5月  カップルでカフェ「妊活ってなあ~に!」
平成24年 8月  妊活ヨガ講座(チェリアdeカフェin庄内)
平成25年 2月  愛する女性のいるすべての男性へ「男の妊活」
平成25年 3月  鶴岡男女共同参画推進事業「ともにあゆむ」

チャレンジのきっかけ

鶴岡市が平成23年度の男女共同参画への策定に入るころ、『鶴岡ウィメンズ フォーラム』会長で鶴岡市総合研究所研究顧問の東山先生に、若手グループの立ち上げを要請された”さんかく”事務局担当の大久保さん。
普通の主婦でしかない自分にグループを束ねていく自信はありませんと最初は断っていたのだが、東山先生の”最後に若手を育てて終えたい”との熱意に押されて承諾をした。

「私は他の地域から嫁いできたけれど、気がつくとたくさんの方々に助けてもらいながら楽しく過ごしてこられました。私のような人がこの鶴岡にもっと増えてくれば、それが地域づくりや街づくりにつながるのではないかと考え、がんばってみようと思いました」
「”さんかく”の顧問を引き受けられた國井美保さんは男女共同参画の分野を熟知されていましたから安心していました。若い方たちにもとても気さくで親しみやすい存在なので、次の世代への橋渡し役として適任でした」

チャレンジの道のり

「最初は人集めが大変でした。女性が集まるとどうしても仲良しグループの井戸端会議の延長になってしまい、お互いに『あなたは、これをしてね』と言いづらくなることがあります。それを防ぐために性別問わず様々な分野の方々に声をかけて一本釣りしていきました」
平成20年度に鶴岡市で開催された「未来フォーラム」のパネラーだった方々、チラシ・ポスターなどのデザイナーの方などが加わった。

現在は女性10名で男性は5名、年代別内訳は20代が3名、30代が8名、40代が3名と顧問1名となっているが、子育て中の方や農家の方、会社員の方など様々で、『男女共同参画』を最初からよく理解している方ばかりではないそうだ。
「例会は月1回で、私のほかに1人でも参加者がいれば開催できます。参加者に来てよかったと思ってもらえるような、参加できなかった人には後で話を聞いて参加すればよかったと思ってもらえるような価値のある例会にしようと心がけています。参加できないことを責めることはしたくないです」

自分の現状や考えを自由に話し合い、そこで生まれたアイディアをもとに年数回、公開例会も行っている。
例えば第一回目の公開例会のテーマ「パートナーを名前で呼び合おう!」は、メンバーの一人が「私はいつも名前では呼ばれない。子どもの保育園では、○○ちゃんのお母さん、夫の知人からは○○さんの奥さん、近所では○○(屋号)のお嫁さんと呼ばれる」という発言から生まれた。

メンバー間でも、お互いを親からもらった大事な名前で呼び合おうと決めている。
「より親しみが増して、『さんかく』は一つにまとまったような気がします」
「お互いが言いたいことをはっきり言います。『それは違うと思う』と言われると気持ちが良いです。本当の仲間だと思います」

現在の活動内容

さんかくのメンバーほとんどが既婚者で、その結婚生活は『このパートナーだったから私がいるんだ』とうまくいっている者ばかり。
この思いを強く伝えて仲間を増やしていき、結婚って良いものだと広めようと始まったのが、”さんかくのこんかつ”。
一昨年のイベントでは”年下の男の子”と題して開催した。

子どもを授かるために大変な思いをして不妊治療を受けている女性たちを救うため、妊活(妊娠をするために前向きな活動)サポートイベントも行っている。
先月は不妊の原因が自分にあるのではと思い悩み誰にも相談できずにいる男性のために、産婦人科病院の院長をゲストとして”男の妊活”を開催。
『愛する女性がいる全ての男性』を対象としており、不妊治療はどちらか一方だけではなく”二人の問題”と意識してもらうという着想がある。

そのほか、大久保さんがコーディネータとなって年齢層の違う円満夫婦を呼んで、男女の関わり方やワーク・ライフ・バランスを考えるトークショーを開催している。
「パネリストの3組のご夫婦は気心の知れた方々ばかりでしたので、普段なかなか聞けない”パートナー”に関するお話しや円満の秘訣など、かなり掘り下げた内容を伺うことができてとても楽しい時間を共有することができました」

ともにあゆむ グループディスカッション
例会などの拠点、居場所となっているCAFE RIDEA
さんかくのテーマ

今後の目標・メッセージ

「”男女共同参画”の活動内容が分からないとよく言われます。家庭環境や世代によってこの言葉の捉え方が違うので仕方のないことかも知れません。グループ名の由来でもありますが『鶴岡男女共同参画グループさんかく』は、”地域・社会・家庭”の3つの頂点を、”きづく・しる・かんじる”ことで、”つなぐ・むすぶ・ひらく”に発展させられればと活動しています。男女ともに助け合い、お互いを尊重し、それぞれが家庭・地域・職場などで持てる力を発揮し、地域社会全体がより元気になることを目指しています」

グループ名の最初の部分に”鶴岡”とつけたのは、夢は大きく鶴岡から全国に発信したいとの想いから。「今後も自分たちの考えで何かを発信し続けていきたいと思っています。男女共同参画の枠にとらわれ過ぎず、メンバーの誰かが困っていることがあれば、みんなで助け合いながらいろんなジャンルを盛り上げていきたい」と大久保さん。

「イベントなどの参加者の多くは女性です。もっと男性にも参加してもらい、本来の意味の男女共同でやっていけるようにがんばります」

(平成25年3月取材)