プロフィール
■活動履歴
看護師・助産師
(社)日本助産師会会員
(社)山形県助産師会会員
日本母子ケア研究会会員
(社)日本アロマセラピー学会認定助産師
NPO法人国際ボンディング協会認定ベビーボンディングケアスペシャリスト(BBCS)
■受賞歴
昭和61年 3月 旧山形県立高等保健看護学院助産婦学部卒業
昭和61年 4月 山形市内総合病院の産婦人科へ勤務
平成19年 3月 出張専門助産師として開業
平成19年10月 山形市成沢西に「わたなべ助産院」を開設
チャレンジのきっかけ
「実は助産師になりたいと思っていたわけではないんです。」
医療の道に入るとは全然考えてもいなかったという渡邊さん。山形で仕事を探していた時期に何かしら資格を持っていないと職に就くのも難しいという現実を知り、たまたま求人募集で目に留まった看護師を目指し資格を取得した。
「赤ちゃんの誕生という比較的おめでたい場面に立ち会えるという理由で助産師を目指しました。」
産後1週間、必要な保健指導を受けて退院するお母さん方を、いつも、これからが大変だなぁと思いながら送りだしていた。
「病院勤務の後半、新生児集中治療室(NICU)や発育支援室(GCU)に勤務するに至り、がんばるお母さん方の子育てを、地域でサポートさせていただきたいとの思いは更に強まり、後先考えず開業してしまいました。」
「それからは経営していく難しさを痛感しましたが、みなさんのお力を借りていろんなアドバイスを聞きながらなんとか続けられています。」
チャレンジの道のり
助産師という仕事上いろんな方々と知り合う中で、渡邊さんは赤ちゃんを連れての外出がなかなか出来ないでいるお母さんがいることを知る。
「乳児健診でしか外出したことがないという方がいらっしゃいました。結婚や転勤で山形に来たために友人や親戚が近くにいないのが理由でしたが、なんとか外への第一歩をお手伝いできないものかと考えて、ベビーボンディングケアスペシャリストの資格を生かしたベビーマッサージレッスンを始めました。」
当初はときどき依頼されて個人レッスンを行う程度であったが、お母さん方が育児上の楽しいことや悩みなどを自由におしゃべりしたり情報交換できる場所を提供したいと考え、公共施設に会場を移して少人数で月2回のレッスンを開始した。
「場所探しも大変でしたが、いざレッスンを開始してからも赤ちゃんの急な体調不良によるキャンセルで参加者が少なくなってしまったり、市報で受講募集すると定員オーバーで、逆にお断りすることも多かったです。」
最近ようやくペースをつかめてきた渡邊さん。現在は助産院で事前予約のもと、また山形市男女共同参画センターファーラではほぼ2カ月に1度、午前と午後の2回開催している。
「両親の手で赤ちゃんの身体を優しくなでてあげるベビーマッサージは、その手のぬくもりを通してたっぷりと愛情を伝えることができるんです。受講対象は生後2ヶ月からハイハイするくらいまでの赤ちゃんとさせていただいています。」
現在の活動内容
その時々のニーズに応えていくかたちで活動にもどんどん幅が広がっている。
わたなべ助産院では、乳房ケア・母乳育児相談・離乳食指導・卒乳相談・ベビーマッサージやハンドマッサージの個人及び少人数レッスン・思春期・更年期相談などのほか、女性専門でアロマセラピーを行っている。
アロマセラピー以外は、要望があれば出張でも対応している。
今年の春からは、『助産院で学ぶアロマセラピー講座』も開講。
また山形市内の産婦人科医院では産前産後の方向けのアロマセラピートリートメント、子育て支援センター『すくすく』では母乳育児相談ボランティアや育児講座、山形市男女共同参画センターファーラでは少人数ベビーマッサージ教室などを行っている。
「一昨年からは『ベビ☆ぷよ』講座を立ち上げました。ベビーマッサージなどいろんなライセンスを持ちながら、それを活かす機会がなく勤務している方へ、せっかく持っているスキルが錆びつかないようにそのライセンスを活かす機会を提供していこうという企画です。」
披露する場をつくることで、渡邊さんは同じように個人としての仕事を目指している方や、一緒になって地域活動をサポートしてくれる方を増やしていければいいと考えている。
「もちろん助産師会の一員としても活動しています。毎年山形市七日町で開催される『はたらくクルマ大集合』のイベントでは助産師会として出展し、親子で行列に並んでいる間、育児に忙しいお母さん方を少しでも癒せたらとハンドマッサージを行っています。これからも生活に負担になり過ぎない程度に、ボランティアの部分でも活躍できればと思っています。」
他には年1回で趣味のフラダンスを活かした助産師会主催の親子フラを企画したり、山形市保健センターで実施しているパパママ教室には講師の一人としても参加している。
今後の目標・メッセージ
私の仕事を知ってもらうためのPRをもっと勉強していきたいという渡邊さん。助産師として、また1人の人間としての願いがある。
「将来を背負う子どもたちには、少しでも良い環境で健やかに伸び伸びと育ち、自分の力で目標を見つける努力をして達成感を味わってたくさんの満足感を体験してほしい。出産は命がけの大仕事。母親が命をかけて産んでくれた大切な命を充分に生きてほしいのです。」
「そして社会に貢献できる大人になってくれる事。その結果、社会が良くなってみんなが幸せな人生になってほしい。そのためには、まずは子どもを養育する家族が幸せでなければ・・・。」
子育て中の両親だけでなく、祖父母も含めた周囲の全ての方々との関わりの中で子どもたちは育っていく。助産師としては、母と子・女性だけでなく、全ての人々の心身の健康支援に関わっていく使命を認識している。」
「私ひとりの力はもちろん微々たるもの。人は多くの方々との関わりの中で生きているんだということを、開業してつくづく思います。病院勤務時代には狭い世界しか知らず、開業すると行く先々で多くの方との出会いがあったり多くの教えをいただいたりします。」
「これまで自分の求める道とは違うと思うこともたくさん経験してきましたが、後になるとどれ1つとして無駄ではなかったように思います。全てのことが現在に導く道であったと、出会えた皆様に感謝・感謝です。」