山形女性医師ネットワーク
チャレンジ分野:

プロフィール

■活動履歴
平成17年 6月19日  設立総会
平成18年 3月14日  第1回女子医学生・研修医との集い開催
平成18年11月14日  県内病院の保育施設設置状況調査
平成18年11月    山形県ドクターバンク開催
平成20年 2月    「第1回やまがた市民活動まつり」に参加(平成24年まで4回参加)
平成20年 3月    機関誌「YJIN」第1巻発行(平成24年まで3刊発行)
平成20年 9月28日  第1回キャリアカウンセリング開催
平成22年 9月30日  学生のカリキュラムに男女共同参画やワーク・ライフ・バランスについての
          講義を組み入れるよう、山形大学医学部に要望書を提出。
平成22年10月    各製薬会社に講演会・研究会における臨時託児についての要望書を提出。
平成24年 1月    第12回女子医学生・研修医との集い開催

チャレンジのきっかけ

時代とともに徐々に女性医師支援の必要性が認識されるようになってきているが、責任ある仕事を続けるためには数々のハードルを乗り越えなければならない。結婚・妊娠・出産・育児などでの支援体制は他職種に比べ全く十分とは言えず、女性医師をとりまく環境は、厳しい現状がある。

女性が指導的地位に占める割合を2020年までに少なくとも30%になるよう期待が寄せられており、女性の参加加速プログラムの進んでいない分野のトップに「女性医師」が指摘されていることは、注目すべき点といえるという。

山形女性医師ネットワークは、山形県内の女性医師の生活と仕事を支援する目的で、平成16年12月より有志が集まって組織を作り活動を開始した。以前より、年1回懇親会を図ってきた「山形女医会」のメンバーを中心として、平成17年3月に「山形女性医師ネットワーク」として、県内の女性医師に参加を呼びかけ、平成17年6月19日に設立総会を行い、会を発足させた。

チャレンジの道のり

平成18年11月、山形県のドクターバンク開設への働きかけや協力をしたり、山形女性医師ネットワーク独自で山形県内病院の院内保育所設置状況を調査したりしたそうだ。
これらの活動が、平成19年、山形県が県内病院における病院内保育所の整備状況や短時間勤務制度などの実施状況についてのアンケート調査や、その結果を山形県のホームページに公表することにつながったという。

平成18年・19年には「山形女性医師ネットワーク:女子医学生・研修医との集い」を開催。平成20年3月からは、「医学生・研修医との集い」と改め、男子医学生へも参加を呼びかけた。

平成20年3月・平成21年3月の「山形女性医師ネットワーク:医学生・研修医との集い」-シンポジウム「女性医師が仕事を続けるためにI・II」と題して、会員・一般医師・男女医学生・研修医との交流・懇談を行い、現在子育て中の医師の体験を中心に、仕事と家庭の両立を目指すワーク・ライフ・バランスをテーマとして開催した。現在もこの集いは活動の柱となっているそうだ。

山形女性医師ネットワーク機関紙YJIN
活動の様子

現在の活動内容

山形女性医師ネットワークは、日本医師会員・非医師会員にこだわらず、女性医師の仕事・生活の支援(パート・再就職の情報提供・紹介、出張・学会・休業時の代診医の紹介、ベビーシッター・家事ヘルパー・託児所の紹介等)や、他の男女共同参画事業活動との協調・協力、などを目的として、山形県全域に活動を広げている。また、医学生・研修医・医師を対象としてキャリアカウンセリングを行い、仕事・進路・生活の悩みの相談を行っている。個人を尊重し、様々な場面を想定した、幅広い支援を行っているそうだ。

女性医師が子育てのために医学を断念することが多い現状や、医学研究に携わる医学部卒業生は減少傾向にあるという背景のもと、指導的立場となる優れた女性医師が相談等の支援をおこなうことは、女子医学生、若手女性医学研究者、女性医師自身へのキャリア形成のモデルとなっている。

男性優位社会である医学医療の世界において、困難を乗り越えて、仕事を続けている女性医師たち。最近医師不足の原因の一つに女性医師が育児などを理由に仕事を半ばで辞めてしまうためと言われるが、それは個人的な問題に起因するものではなく、社会の課題としてとらえ活動しているとのこと。

また、女性医師に関わる情報の収集・共有化を図り、協議・検討の内容を支援策に反映させたり、女性医師が働きやすい勤務環境の整備を推進したりしているそうだ。

今後の目標・メッセージ

今後も、ホームページや会員用メールの発信による情報提供、機関紙YJINによる会員相互の交流、医学生、若い女性医師に向けての情報発信や、会員・団体の活動記録のまとめ、「医学生・研修医との集い」の開催など、山形女性医師ネットワークの柱となる活動を行っていくという。

女性医師にとって望ましい職場環境は,とりもなおさず男性医師も働きやすい職場である。女性の視点を取り入れたワーク・ライフ・バランスに配慮した医療界の実現は、男性医師、その他の医療職員、患者さんにとってもより好ましい医療体制へとつながっていく。会員相互の交流をさらに深め、医学生・若い女性医師に向けての情報提供、そして応援を行っていくそうだ。

(平成24年3月取材)