プロフィール
■活動履歴
平成 5年11月 子育てサークルとして活動開始、現在はおはなしサークルとして活動
平成 8年 町内学校にて読み聞かせ、ブックスタート事業開始
平成16年 交流サロン『ぽすと』で森の子ども図書コーナーの運営開始
■受賞歴
平成11年11月 読書推進運動協議会表彰(読書運動推進)
平成18年10月 最上地区生涯教育推進協議会表彰(生涯教育振興)
平成19年 4月 文部科学大臣表彰(読書活動優秀実践)
平成21年 2月 文部科学省表彰(放課後子ども教室推進)
■代表
半田季三子
チャレンジのきっかけ
おはなしサークル『きつねのボタン』ができたのは平成5年。
町の中心部にある公園に、毎日のように子どもと一緒に集まってきていたお母さん方が立ち上げた。当時は今の活動主体であるおはなしサークルとしてではなく、子育てをテーマとして活動していた。
「公園で遊んでいた10組くらいの親子で始まりました。公園の場だけではなく、もっと活動の場を広げて遊んだり学んだりしようと、交流が広がっていきました。」
野外では近くの川で芋煮会をしたり、畑で野菜を育てて収穫し味わったり‥。また創作活動として公民館を借り紙芝居や大型絵本などを作って子どもに披露するなど、親と子が一緒に楽しめる活動を行っていた。
子どもが大きくなるにつれて、なかなか親子一緒に活動することができなくなったため、母親たちだけのお話サークルへと変わっていった。
「紙芝居などを自分の子どもたちが食い入って見てくれるその反応が嬉しくて、せっかく作ったものをもっと広く見てもらおうと言うことになって、お話しサークル『きつねのボタン』の活動が始まりました。」
チャレンジの道のり
活動の場となっているのは、町の中心部にある『交流サロンぽすと』。
「もともとあった郵便局を町が改装した建物なのですが、女性団体がいろいろな活動ができるようにと建てたものなんです。その2階に”森の子ども図書コーナー”が設置されました。」
「ある出版社の社長ご夫妻から、地域の子どもたちの読書に役立ててくださいと寄付していただいたその基金で本や書架が揃えられています。」
平成17年10月、おはなし活動を続けてきた『きつねのボタン』が町からこの管理を委託される。
金山小学校の児童たちが下校途中に寄って利用していくことが多い。
「国・県・町が推進している”放課後子どもプラン”という事業として、図書館としてだけではなく子どもの居場所としての役割も担っています。」
「森図書ができる前は、子どもたちは、下校したらまっすぐ自宅に帰ることが基本でした。ですから、子どもたちが下校途中に森図書を利用することについて、学校に出向いて先生方や保護者の方に理解していただくことが必要でした。年度初めには、子どもたちに学年単位で森図書の見学と利用の仕方を勉強しにきてもらっています。またそれと同時に、いかに多くの子どもたちに利用してもらえるかを一生懸命考え温かい居場所づくりに努めました。」
現在の活動内容
活動の範囲は最上地域。メンバーは現在14名。
『交流サロンぽすと』の2階にある”森の子ども図書コーナー”の運営が中心。
さらに小学校や幼稚園、認定子ども園などでの読み聞かせを年間を通じて100回程度、移動図書も2週に1度のペースでまわっている。
そのほか、大型絵本・スライド・人形劇などを使った出張お話し会も月に2、3度実施している。
金山町のブックスタート事業(*1)にも関わっている。
「町内で生まれた赤ちゃんとそのお母さんに対して、0歳児健診の時に、町から2冊ずつ絵本が贈られます。その時に、対象となる親子に、贈られた絵本の読み聞かせを行ってから手渡すというお手伝いをしています。」
(*1)すべての赤ちゃんのまわりで楽しくあたたかいひとときが持たれることを願い、一人ひとりの赤ちゃんに、絵本を開く楽しい体験といっしょに、絵本を手渡す活動。
「毎年1回、『きつねのボタン』主催で”子ども祭り”というイベントを開催しています。2部形式になっていて、1部は子どもたちが高校生と一緒にいろんなことをして遊ぶ企画です。チャリティバザーをしたり、こんにゃく煮をしたり、工作をしたり‥。2部はお話し会をしています。高校生がお話しをしてくれることもあります。」
「ずっとお母さんという立場で携わってきたので、『きつねのボタン』ではその思いを一番大切にしています。お手製の貸し出し袋にし、本をたくさん借りてくれた子どもには、羊毛フェルトのマスコットや、絵本のブックカバーを再利用したペーパーバッグ等手作りした物をプレゼントしています。」
今後の目標・メッセージ
「新年度から学校図書支援員として4つの小学校と1つの中学校をまわることになりました。私たちでお役に立つかとても不安ですが、子ども達との交流をまず第一に考えて少しずつ取り組んでいきたいと思っています。今まで、中学校に対してはためらいがありました。初挑戦ですね。」と代表の半田さん。
「図書支援員という立場よりも、地域のお母さんが来たよと思われるくらいがいいですね。」
「最近は町からの支援もあり以前より活動しやすくなりました。その分公的活動も増えてきたので責任の重さも感じます。これからもずっと、『きつねのボタン』らしさを忘れずに温かみのある活動をしていきたいと思っています。」