プロフィール
1980年生まれ。山形市出身。
夫・三人の娘・義父母、義祖母との4世代8人暮らし。
■活動履歴
平成19年 4月 新庄市へ来て専業主婦をしながらアロマの手作り講座などを不定期に開催
平成22年10月 土内廃校プロジェクトに加入、月1回のイベントに参加
平成23年 4月 友人と畑を借りて20種類ほどの野菜・ハーブを栽培
平成23年 7月 「やまがた食材ネット」生産者プロフィール作成業務へ参加
平成23年 9月 新庄南本町商店街「人替わりランチ七色」水曜日担当シェフの一人として出店
平成23年10月 アグリウォーカーズ(最上の農業者グループ)に会計として参加
平成24年 4月 最上地方で「農で繋がる女子の会(仮)」を立ち上げ予定
「人替わりランチ七色」にて不定期にワークショップを開催予定
平成24年 5月 農水省「田舎で働き隊」事業に、研修生へのアドバイザーとして参加予定
チャレンジのきっかけ
「子どもが産まれてから、手作りが大好きになりました。お菓子作りや裁縫・編み物からはじまり、石鹸を作ってみたことで、たいていの日用品は自分で作れると思い始めました。」
山形市内で夫と共働きで一人目の子を育てていた小嶋さん。二人目が生まれたのをきっかけに新庄市にある夫の実家で同居するようになる。専業主婦になって家族や子どもと一緒にいる時間が増えた。
季節の行事を大切にする義母、義祖母は、田舎料理や漬物を作るのも上手で、彼らに影響を受け、丁寧に暮らすことの大切さを学ぶ。
「梅干しや味噌も三年ほど前から自分で作っています。家族には化学的なものが入っていない料理を食べてもらいたいし、選んで買うより自分で作ったほうが早いと思い、二年目からは、一年で使う量を計算しながら作れるようになりました。調味料なども時間が許す限り自分で作ります。」
「そのうち野菜などの栽培に興味を持ち始めました。実家も嫁ぎ先も農家ではなく、それまでは買ったものやもらったものを調理するだけでしたが、食材も、自分で育てたものなら間違いがない。全て自給自足を目指してはいませんが、口にするものや常に使うものは、食材に限らず、下手でもいいから自分で作りたいなと思い、数年前から畑を持つことを考えていました。」
子どもが小さいうちは、ただひたすら日常的に使うものを手作りしていただけで、ときには作り方を人に教えたり、たくさん作ったものはフリーマーケットで販売したりしていた。
「暮らしのテーマとしては、農業と昔からある手仕事を、子育てと繋げていくことです。」
チャレンジの道のり
「工房といっても自宅です。販売などはせず、保存食も手作り品も、ひたすら“作ること”を楽しんでいます。」
そのうち、その楽しさを人と共有したくなった。
「特に、子育て中世代のママたちが子連れで集まれる場所を作りたい気持ちが最初にありました。」
新庄に知り合いが少なく、農業の経験も全くない、一緒に畑を耕したり、手作りしたりする仲間がほしかった。
「ちょうどそんなときに、”土内廃校プロジェクト”という新庄市内の廃校を使った地域おこしの活動をしている農家さんのグループのイベントに参加する機会がありました。」
「一緒に畑を耕してくれる主婦の友人にも出会えました。現在、畑の野菜を使ったランチ店で一緒にお店を出している友人です。」
土内廃校プロジェクトを通じて農家の知り合いが増え、参加メンバーたちと農作業をしたり、収穫した野菜で芋煮会などをしたりして、人の和ができてきた。
また仲間の紹介で、自由に使える畑を借りることができた。
「人の縁で畑を借りることができ、友人と2人で共同管理していました。 露地栽培で夏野菜や根菜、ハーブなど20種類ぐらいを育て、全種類、無事に収穫することが出来ました。」
「その友人はとても料理が上手だったので、畑の野菜を使ったカフェの構想が持ち上がりました。 商店街に、週一回だけお店を出せるチャレンジショップがあったので、応募し、出店できることになりました。」
現在の活動内容
“人替わりランチ&洋風居酒屋七色(なないろ)”は、曜日ごとでシェフが変わるというお店で、 空きができた昨年9月からの出店。水曜の「Farmommy’sCafe」(ファーマミーズ・カフェ)を担当。
営業は毎日ではないので日々の生活にも負担が少なく、畑とも両立できる。
その日だけ子どもを保育園に預けるなど、無理なく続けられると考えた。
「出店前から”七色”の店内ブースの一角に手作り石鹸を置いて販売させてもらっていたんです。 でもお店を出すとまでは考えてもいませんでしたね。畑を始めた矢先だったし‥。 ですが、友人と二人なので出来ると思いました。」
ランチのほかに、野菜を使ったキッシュや、畑の豆や芋を使ったスイーツの評判も上々。
「料理の仕上げは友人で、私は雑務や経理を主に担当し、その他は二人で分担しての作業です。メニューは毎週変わり、家庭料理を少しお洒落にアレンジした、親しみやすい味だと思います。」
土内廃校プロジェクトにも、月1回継続して参加している。
「昨年はその廃校付近の畑で綿花(和綿)を栽培してみました。衣類などの繊維も、以前は、綿花を収穫し作られており、掘り下げれば「農」です。最初は失敗してもいいから、自分で育たかったのです。糸を紡いで布に仕立てて色を染めてやっと服になるという一連の流れを体験してみたかったんです。」
「好奇心が強くいろんなことに興味があるので、あすか工房はまだ“何屋”とは言えず、それを探っている状態です。何か商品を販売していくというよりも、主婦や地域の人の集まりを作って、イベントなどを通じて子どもと一緒に手作り教室のようなことができたらいいかなと思っています。自分も楽しみながら。」
これまで廃校や“七色“で開いてきたワークショップは、石鹸作り、入浴剤作り、化粧水作り、リップクリーム作りなど。
山形県が昨年立ち上げたホームページ”やまがた食材ネット”では、生産者のプロフィール作りを行った。
「農家さんが大好きだ!と周囲に公言していたら、お仕事の話をもらえました。生産者さんに実際に会いに行って、企業との食材マッチングのお手伝いをするサイトの作成のお手伝いです。おかげでいろんな農家さんと知り合えて自分の活動にも広がりが出ています。自分の活動は、人との縁が全てだったと思います。」
最上地方の農業者で立ち上げたアグリウォーカーズというグループにも参加。
“原蚕の杜”でメンバーと地域の人が集まれる芋煮会を開催したり、一日だけのCafeをオープンさせたりした。
その後も継続的にグループ内のさまざまなプロジェクトに参加。
農業を軸に、仲間と最上地方を盛り上げるべく活動中。
今後の目標・メッセージ
「最上地方の女性で“農で繋がる女子の会”を立ち上げたいと考えています。今まで自分が実践してきたような内容をグループでイベント感覚で開催したり、子連れで暮らしの勉強会なども開催したりできればいいと思っています。」
「現在は廃校や七色を利用してイベントを行っていますが、自宅を改装するなどして“あすか工房”として自由に使えるスペースもほしいです。主婦仲間やその子どもとみんなで泥まみれになりながら農作業をして、採れた作物を使ってその場所で料理教室をする、そんな便利な場所があれば嬉しいですね。自由に使ってよい古民家などがありましたら、情報をいただけると嬉しいです(笑)。」
「活動の次のステップへ移行するため、24年度は、水曜日のランチ店に常駐しなくなります。もっとおいしいものを提供するために、私はあらためて畑の方に重心をうつし、計画性をもって栽培する野菜の種類を増やし、季節の野菜を中心にメニューを展開していきたいと考えています。」
「暮らしの身近に常に手仕事があるので、私の子ども達も何かを作ることが好きになってきています。大人がしているところを見ていると自然に興味を持つようで、長女は包丁を2歳から持たせていました。生活の中にアイディアが詰まっているので、日々の暮らしには手を抜かず、浮かんだ企画をいろんな人と一緒に実現していければと思います。」「小さなお子さんを持つ母親は外に出る機会が少なくなりますから、子どもと一緒に参加できるイベントを企画中です。」
「主婦の目線でアドバイスしてほしい、という内容のお仕事をちらほらいただけるようになってきました。24年度の春からの農水省の事業で、被災地へ野菜を移動販売するプロジェクトのアドバイザーとして参加します。 農業と生活の中間にいる主婦として、両者を繋ぐお手伝いができたら嬉しいです。文章を書くのが好きで、記事やコラムなどを書くのが最近とても楽しいです。」
「温故知新という言葉が好きです。昔からずっと続いてきた、農と手仕事が身近にある暮らしを子どもたちと実践していきながら、その楽しみを地元の人たちと共有していきたいです。」
「日々の活動はfacebookやブログを通じて発信していますので、ぜひのぞいてみてください。」
・人替わりランチ&洋風居酒屋「七色(なないろ)」
URL:http://www.hitogawari.com/
・土内廃校プロジェクト
URL:http://www.tsuchiuchi.com/
・やまがた食材ネット
URL:http://yamagata-shokuzai.net/