プロフィール
■活動履歴
平成19年 5月 山形駅西口広場にて村山総合支庁主催のフリーマーケットに出店参加
平成19年10月 嶋地区ヨークベニマル店頭で出店
平成21年 7月 山形市旅籠町まる八やたら漬隣り店舗で販売
平成22年12月 木の実町自宅前に店を建てる
チャレンジのきっかけ
「手作りお菓子は、子どもへのおやつとして振舞ったのがきっかけでした。たまたま材料になる粉とバターと砂糖があって‥。」
自宅を新築した際に本格的なオーブンをキッチンに設置したものの、それまでは全く使ったことがなかった影井さん。昔から衣服や雑貨アクセサリーなどを作るのは好きだったが、お菓子作りには全然興味が無かった。
「オーブンの説明書に付いてきたレシピ集を見ながら試しにクッキーを焼いてみたんですが、美味しくて評判が良かったんです。材料さえあれば私でも作れるんだと気づきましたね。」
そのうちにだんだんといろんな人に食べてもらいたいと思い始め、独学でレパートリーを増やしながら平成19年頃からフリーマーケットに出店して、マフィンやスコーンなどの焼き菓子の販売を行う。「”手作り”というのがみなさんにウケているようです。私自身もどちらかというとメーカー既製の安定した食品や衣料品を購入していたので、手作りを好きな人がこんなにいるとは思わずびっくりしました。」
「さらに手作りは値段が高いというイメージもありましたね。だから自分が手作りで販売する際には、毎日でも買いに来ていただけるように高くない価格設定でいこうと昔から考えてました。」
平成19年の秋には、フリーマーケットを視察していた山形市嶋地区にオープンする大手スーパーの店長さんから声をかけていただき、毎週日曜日の午前中限定でその店の前でもお菓子の販売を始めた。「スーパーでのお買い物が終わった後で買っていただくので、またお財布をポケットから出してもらわなければならない大変さはありました。」
「”日曜日しか来ないお菓子屋さん”として認知されて、2年ほどの間にお客様もずいぶん付いてくださいました。」
チャレンジの道のり
お客様などの口コミ、口コミで物事が進んでいく樹の実。「旅篭町のお漬物屋さんから店舗の一部を活用して出店してみないかと声をかけていただいて、道路拡張で店舗スペースが制限されるまでの約1年間お世話になりました。この頃から焼き菓子だけでなくハンドメイド雑貨のコーナーを設けています。」雑貨をお店に置いてみたら良いのではと思い立ち、小物アクセサリーや編み物などを作るのが好きなお友だちのママさん3人を誘い、商品提供してもらおうという軽い気持ちから始まって現在に至っている。
「平成21年、お客様も順調に増えてきましたし、少なからず自信もついてきたので、移転を機に自宅前にお店を建てることを決意しました。」店を構えるにあたっては、”どういう店にしたいのか”というコンセプトを作り上げることに一番時間を費やしたという影井さん。「県内外のお菓子屋はもちろん、いろんな業種のお店を周って理想のイメージを描きました。」
「育児は両親に手伝ってもらいながら両立しています。家族の理解と協力はとてもありがたいですね。」「さらに母には編み物で雑貨コーナーへ商品提供してもらっていますし、父には経理を任せ、夫には樹の実ブログを立ち上げてもらいました。さながら家族経営のようです。」
現在の活動内容
食べることが大好きな影井さん。いろんなところでお菓子や料理を実際に味わって味覚を養いながら新しい出会いを求め、常にお店に並べる新商品のことを考えている。
「私の飽き性な性格が幸いしてますね。雑貨もそうですが毎日来られるお客様にも飽きられないように、定番を残しながら月ごとに新しいものをご提供しています。」お菓子の種類も当初はスコーンとマフィンとクッキーだけの販売だったが、アレンジを効かせながら今では50種くらいに増えている。
「朝5時半に起きて仕込みを始めます。マフィンは夜に子どもが寝た後で生地を準備します。あとは一日の中で必要に応じて‥。キッチンに居るのが好きなんですね。時間が空いていたらキッチンで手を動かしてなにか作ってるかも。」
お菓子のことだけは日々考えていて、頭から離れることはない。最近のおすすめ新商品は、豆を挽いてドリップした出来立てのコーヒーから作ったクッキー。秋の栗の味わいと形そのものを写したマフィン、香ばしいほうじ茶のマドレーヌなど。
「食材そのものを調味料などで変にアレンジせず、また見た目も楽しめるものをと心がけて作ってます。新しい商品がひらめくのは、だいたい夜に多いですね。」
現在雑貨制作に関わっているのは、10名ほどのママさんスタッフで、もともと樹の実のお客様だった方が多い。
「だいたいの方が幼稚園のバザーやフリーマーケットに出品するために培った技を生かして作製されています。ママさんたちとはなかなか一同に会すことはできませんが、流行の兆しや季節の催しに合わせ、商品の入れ替えなどを個々にお願いしています。」
「お客様には十分楽しんでもらって、ちょっと得した気分になってもらえるように気を配っています。お店を持ってからもお菓子の作り方やその気持ちは変わっていません。ありがたいことにお菓子や雑貨を買うためにわざわざ足を運んでくださるわけです。お店に入っていただくだけでもすごいこと。来ていただくからには、できる限り楽しませたいと思ってます。」
樹の実は影井さんやママさんスタッフにとって、自分の存在価値を示せる場所であり、自分の作ったものを買ってもらえたときが認められたと実感できる場所でもある。
「お客様の顔を思い浮かべながらお菓子を作って、その方が次の日にでも来て買ってくださった時は本当に嬉しいです。樹の実の看板商品のスコーンを定期的に買ってくださる方がいると自信にもつながります。」
「息抜きは、大好きなBONJOVIの音楽を聴きながら読書をすることですね。すぐ目の前の第一小学校では、ときどき子どもたちへの読み聞かせの活動も行っています。」
今後の目標・メッセージ
「もっとたくさんの人に樹の実を知っていただきたいですね。量産はできませんがその分手作りで心をこめて作っているので、山形で美味しいスコーンのお店といえば、樹の実と言われるくらいになりたいです。」「お店を持ってからお客様との会話が落ち着いてできるようになりましたが、少々狭くて座ってくつろげるスペースがないので、いずれはコミュニティの場を提供できるように小さなカフェまでにはしたいと思ってます。」
「お話し好きなお客様が多いですよ。ただ輪をかけて私自身、人と話すのが大好きなので、本来は伺う立場なのでしょうがどうしても声をかけてみたくなって、気がついたらベラベラと‥。あとで反省することが多いですね。話し足りない部分はブログへ書いて発散してます。(笑)」
また、ママさんスタッフへお店での雑貨販売の場を引き続き提供していきたいと影井さん。
「樹の実に長く提供してくださってる方もありがたいですが、ここで自信をつけて本格的な仕事にステップアップして巣立っていく応援もしたいですね。私がそうだったように‥、アクセサリー小物や編み物を作られる方って、実は身近に結構いらっしゃるんですよ。」