「ガールスカウト山形県支部所属」
井上 恭子さん
チャレンジ分野:

プロフィール

■活動履歴
山形県長井市生まれ。現在は米沢市在住で夫と夫の母との3人暮らし。娘2人は仙台在住。
平成10年  ガールスカウト岩手県第14団入団
平成13年  ガールスカウト山形県第6団へ転団
平成18年  チェリアdeカフェ実行委員長
平成18年  BPW米沢クラブ入会
平成19年  米沢市協働推進市民会議委員
平成19年~22年 米沢市協働推進市民会議委員長

■資格
平成11年  ガールスカウト指導者
平成21年  食生活改善推進員
平成21年  小学校長期自然体験活動指導者

チャレンジのきっかけ

現在の起点となるところをどこだろうとずいぶん考えてみた井上さん。強いて言えば長女が小学校に入ったときに、PTAの役員になったことがきっかけだったのではと思っている。
「転勤の多い職業の夫なので、異動した先の土地や人に早く馴染めればという思いもありました。早速、同じ役員の方に歌うことが好きと見抜かれて、コーラスサークルへ勧誘されましたね。」
長女が中学校へ進学し、部活動を選択するときにガールスカウトの存在を知った井上さん。その後まもなく岩手県宮古市へ移り住むが、子どもだけのつもりが指導者(リーダー)としてもガールスカウトに関わるようになる。

「PTAの役員にならなければコーラスサークルには入らなかったし、コーラスサークルに入らなければガールスカウトには結びつかなかったです。私のように仕事をしていない専業主婦で、芋づる式にいろんな活動をされてる方って結構いらっしゃると思いますよ。」

チャレンジの道のり

「指導者としてガールスカウトに関わるようになってから山形に引っ越してきたのですが、引っ越した次の日には山形の団の方から電話があって、引き続き山形での活動を要望いただきました。私も即答でOK!のお返事をしましたけど。」

ガールスカウトは、毎年テーマや目標を決めて活動している。その根底には”少女と若い女性が、自分自身と他の人々の幸福と平和のために、責任ある市民として自ら考え、行動できる人となれるようにする”というミッションがある。
「高校生までは支援される側に、それを過ぎると成人会員として支援する側にまわっていきます。親子2代で活動している方もいますね。」
イギリスでガールスカウト運動が始まってから100年、日本でも昨年で90周年を迎えている。

「学校の成績とは違って結果が見えにくい教育ではあります。小学校低学年のブラウニー部門からトータル12年間関わっていけるわけですが、でもその成長の過程は学校の先生では味わうことができないでしょうね。」
「最初のキャンプではやはり寂しくて大泣きする子達もいます。手こずらせる子もいます。でもそういう子が次の年のキャンプでは大きく変わって成長しているんです。」
現在担当しているシニアの中学生に、ブラウニーの女の子たちが慕って駆け寄り微笑んでくれる光景をみると、ガールスカウトの指導者をやっていて本当に良かったと実感するという。

コーラスサークルの仲間と
山形県支部結成15周年記念戸隠キャンプ

現在の活動内容

カリキュラムに従っているガールスカウト活動が、いろんな活動の場面で役立っていて井上さんの基本となっている。

「ガールスカウト山形県支部がチェリアの登録団体になっていたこともあって関わることになりました。」
最初は毎年開催されているチェリアフェスティバルのお手伝いで参加したつもりだったが、子どもたちと普段行なってきているガールスカウトでの活動を、一般の方にも対象を広げてみたらどうだろうと考えるようになっていった。

毎月開催しているチェリアdeカフェでは多種多様な企画のほかに、3周年記念ではパネルディスカッションを行った。最近の事では5周年記念の形に残るものとして”チェリアdeかるた”を作る予定となっている。
「最初はチェリアの知名度をさらにアップしたいと思ってチェリアdeカフェを始めました。せっかく立派な施設があって、支えてくださるスタッフがいらっしゃるのですから。」
「仕掛けたからには必ず成功させねば、という思いは強くありますね。でも参加した方に笑顔で帰っていただければそれで満足です。」

チェリア主催の男女共同参画地域講座に参加した際、お誘いいただいてBPW米沢クラブに入会。さらに米沢市の条例策定等を目的とした米沢市協働推進市民会議にも関わるようになる。
「ガールスカウトで学んだ手法が、ここでも非常に役立ってます。会議のメンバーの意見を公平に反映させながら、みな気持ち良いように場をもっていき、さらに次の課題にモチベーションを高めていってもらえるように。」
「専業主婦で時々市民活動を行なっているような女性は、中立的な立ち位置にいられて重宝されるのではないでしょうか。」
しがらみやこだわりが無い分だけ、うまく落としどころを見つけて結論を導き出すことができるようだ。「こういう経験はなかなかできないので、大変ですけど誘ってくださった方には感謝しています。」

「今が本当に楽しいし、楽しいから続けられるし、楽しんでいるので自分の身になるし、また次に進みたいと思います。」と井上さん。
「今がチャンスだったと思って振り返ると、もう、つかむ髪の毛が無い。チャンスの神様は前髪しかないんです。これは私には対処できないかもと思ったことでも、つかんだもの勝ち。つかんでから考えても遅くないです。後悔しないように。」

自分が市民活動をやっているなんて思っていなかった。男女共同参画のきっかけなど、全然見当たらずここまで来た感がある。
「子どもが帰ってきたら毎日手作りのお菓子を食べさせて、子どもの洋服や帽子はほとんど仕立ててあげて、それで満足だったし幸せだったんです。まさかこんなことになるとは。(笑)」

 

今後の目標・メッセージ

とりあえず今抱えていることでは、平成23年秋の男女共同参画県民企画事業を成功させること。置賜地域で参加者の情報交換の場を提供する出張チェリアdeカフェを実施する。
「それをやってるとまた新たな目標が現れてくるんでしょうね。とても欲張りなんですね、私は…。」

「まず家族が健康でないと好きなことを続けていくことができません。気力体力を維持できるように食生活には特に気をつけています。」興味が高じて食生活改善推進員の資格も取得している。
“明日できることは明日、明日の心配は明日になってから”を生き方としている井上さんは、アリとキリギリスで例えると、自身をキリギリスと分析している。「楽しいと思えることに次々首を突っ込んでいたら、気が付いたらここにいたって感じです。特に何をしようとか、これを訴えようとか全然思わずにその場しのぎで‥、こんな専業主婦がいても良いでしょう。(笑)」

社会とのかかわり方に迷っていたり、子育てに縛り付けられていると感じているお母さんたちには、 「子どもってすぐ大きくなります。抱っこさせてくれるのは今しかないから、今を楽しまない手はありません。実際私もそう感じたことがありましたが、必ず子どもは成長し変わっていくし、その時間というのは後で取り戻せないんです。」
「社会に出るにしても、家庭の中に波風が立っていると途中で円滑に進まなくなるし、後ろ髪を引かれることがあると活動する本人にとってもマイナスです。まず第一に考えるべきことから一つずつクリアしていきましょう。」

(平成23年8月取材)