プロフィール
(若者定住促進活動)
H19年度 山形県「結婚しやすい環境づくり支援事業」
H20年度 山形県「がんばれ最上の若い人支援事業」
H22年度 山形県「やまがた社会貢献基金」協働助成事業(一般型)
(食育&子育て支援活動)
H19年度 山形県「地域づくり実践支援事業」
H20年度 山形県食育活動支援事業・ 新庄市協働企画提案事業
H21年度 こども夢基金助成事業
新庄市市制施行60周年記念事業市民提案事業
H22年度 山形県食育活動支援事業
受賞実績
H21年度 最上総合支庁「もがみの地域づくり活動賞」
チャレンジのきっかけ
Feelという団体の名称は、毎日の生活の中で”あれ?”と思う”感覚”を大事にして、それが活動の種になっていけたらとの由来からきている。その視点は女性だったり母親や家族だったり様々であるが、最上地域を元気にしていくというテーマのもと、5人のメンバーの誰かが必要だと考えたことは分野を縛らず取り組んでいこうという姿勢で市民活動を行っている。
「もともと新庄ベンチャークラブ・子育て応援団・託児サークルきらきら・ママナビ編集部などで個々に活動していたんですが、顔を合わせる機会が度々あって、そんな団体同士の交流から信頼関係ができたメンバーなんです。」
それぞれの所属団体の活動以外に、さらに自由な活動が出来るようなグループを作りたいという思いが高まり、平成19年5月に結成する。
「メンバーは同年代。それぞれ明確な目的を持っている団体で力を発揮していたリーダークラスでみんな能力が高いんですよ。人脈はあるし責任感も実行力もある人達ばかりなんですが、あくまで活動は無理なく自分たちの範囲で出来ることをやっていこうと始めました。」
“企画ありき”の活動スタイルで、その時代時代に合わせたニーズのあるものを見分けながら取り組んでいる。
「継続という言葉や、何かしなきゃと活動することにこだわり過ぎてしまうと、気持ちに余裕が無くなって逆に団体自体がストレスになります。全員が主婦で家庭第一ですから、団体としては最低これだけは!という活動だけをきっちりやり遂げることにしています。いい意味で消極的な感じですね。」
チャレンジの道のり
現在主軸としている事業は、食育&子育て支援と若者定住促進の2つ。それぞれ「やりたい!」と強い意思をもっているメンバーの意見から始まっている。
子どもの食体験キッズ・キッチン教室を開催するにあたっては、何度もその分野の第一人者に会いに行って話を聞き、自分達の方向性を確認。教室開催に向けてまずメンバー自身が東京での講習会に参加して事前研修を受けた。その後地域で本格的に展開していくため、教室インストラクター養成講座を地元で開催し現在の基盤を作ってきたのだが、ここに至るまで2年以上かかっている。
代表の栗田さんは、「活動費用の工面が大変でした。スポンサー探しにずいぶんと奔走しましたね。企業団地を一軒一軒飛び込みで周りながら協力を依頼したこともあります。Feelという団体の認知度も高くなかったので簡単ではなかったですが、ただ最初の一回をきっちりと行うことが出来れば絶対軌道に乗ると思っていたので、その信念に従い頑張りました。」
若者定住促進いわゆる婚活支援では、なかなかパートナーと出会えないという概ね30歳以上の独身男女に出会いの場を提供し″この地域で家庭をもって、仲良くみんなで暮らしましょう″という願いを持って、”婚活”ワードのない頃から取り組んでいる。
「口下手な男性でもイイとこ見せられるチャンスかな♪と、あえて真冬の『イグルー(エスキモー民族の雪と氷の住居)づくり』を用意したんですけど、アウトドア企画はぜんぜん人が集まらなかったですね。(笑)」
現在の活動内容
「キッズ・キッチン教室は一昨年からスタート。去年は新庄と最上郡で計5回開催しています。毎回定員は約20人ですが、開始当初から参加応募が多くて、嬉しいことに今や知名度も高く人気の講座となっています。」 この教室の目的は、料理を作ることではなく、子どもが自分の手で魚をさばいたり料理する体験を通して食べ物に関心を持ってもらうこと。大人の手を借りずに作ることで”ひとりでできた!”と自分に自信を持てる体験をさせたいと開催している。
「コレってなかなか家では出来ないんですよ。一緒に台所に立つといっても危なっかしくてとても子どもに任せらない。じっと見守るなんて無理で、口も手も出る…。でもこの講座で一通りのことが体験出来れば、家に帰っても少しは子どもにゆっくりと手伝いをさせても良いかなと思えます。自分たちの子育ての反省に立って企画したものですから。」
「自分に自信を持てるような体験をした子どもは、例えば学校で辛いことがあっても、立ち向かえる強い勇気とか、自分を大切に思う気持ちを持てるんじゃないかと思っています。豆腐を手の上で切ったりするのですが、上手に出来たときの目の輝きはとても素敵ですよ。」
今年度は、『リトルシェフくらぶ』という連続シリーズのコース教室を開催。子どもの手に合った調理器具を準備し、インストラクターの指導のもと五感を働かせながら調理・試食することで食への関心を高めると同時に、食べる力も身につけさせる。『家で食べないキノコを食べた』といった驚きの声が保護者から毎回寄せられるという。 このほか保育園での『味のあてっこ教室&サラダ作り体験』、保護者と子どもの作業を明確に分けて行う『親子お菓子作り教室』なども行った。
婚活支援は毎年1~2回、参加者30名前後の婚活パーティを開催している。またパーティの直前には、男性を対象としたコミュニケーション講座やファッション講座なども実施、女性の立場からの具体的アドバイスも含めて、独身者の婚活を応援している。
「パーティをサポートしてくれるスタッフ、知り合いに参加の声がけをしてくれる方々。メンバーだけでなく、たくさんの人の力を借りて活動しています。私たちは企画するという種をまいて、周りの皆さんを頼って実らせていただいているというところがかなり大きいですね。」
パーティで成婚したカップルは、これまで4組は誕生しているというが、いずれも風の便りで耳に入った情報。
「メールアドレスを交換してあげるとかパーティでは個別に取り持ったりと、できるかぎり細かくお節介してるんですが、みんな報告してくれないんですよ。(笑)」と、副代表の井上さん。
昨今は婚活流行で活動しやすくなったものの、自治体や他団体などでも積極的に取り組みはじめており、出会いの場も増えているので、もうFeelとしては一定の役割を終えたかなと考えている。
今後の目標・メッセージ
最上地域にいるキッズ・キッチンインストラクターは29名。地元で個別に教室を開きはじめた人も出てきて、裾野は確実に広がってきている。今後は、同じように独自で活動したいと考えているインストラクターに、チラシの作り方や助成事業への申請方法などをアドバイスしたりして活動をサポートしていく方向にも取り組んでいく。
「一年間に私たちがキッズキッチン教室を開催できる回数は限られているので、各インストラクターが独立して、最上地域でそれぞれ活動してくださると体験できる子どもの数も倍々に広まっていく、最終的にはそんな感じになったら良いなと思っています。それも長い目で、時間はかかりますが…。それに向けて私たちも毎年少しずつでも続けていかなければいけないと思ってます。」
「人間って、自分の居場所がいっぱいあるとその数だけストレスが分散されるんですよね。例えば何か嫌なことがあっても、ほかにサークルや、仕事があったら、そのストレスは全体の30%のウエイトで済むわけです。いろいろ手を出すのは忙しいようだけど、実はストレスだけを考えると、自分の世界はたくさんあったほうが良いと思いますよ。」
「まずは関心のあるものに参加してみる。そして共感してくれる友達をつくる。塞ぎこむようなことがあっても、風とおしが良いというのはとても大事ですから。」