「(有)酢屋吉正」取締役、県総合計画審議会委員
佐藤 スミさん
チャレンジ分野:

プロフィール

山形県川西町にて味噌製造業の「酢屋吉正」を経営する傍ら、女性の立場で地域活性化などについて考える活動や、青少年健全育成活動にも取り組んでいる。また、町内の特産物開発などのコーディネーターでもある。川西町の空き店舗を利用した、「主婦の店ダリア」の代表も務める。

昭和57年~平成 3年  川西町商工会 女性部長(初代)
昭和60年~平成 3年  川西町商工会 理事
平成 2年       女性の学習グループ、ミズ・アカデミーを立ち上げる、初代学長
平成14年       山形県地方港湾審議会委員
平成15年       山形県置賜農業高等学校評議員
平成18年       山形県男女協同参画社会づくり功労者知事表彰を受賞
平成18年10月     川西町の中心商店街に空き店舗を活用した「まちかどショップ ダリア」をオープン。
現在         山形県少年補導員連絡会会長(女性初)
           山形県総合政策審議会委員
           山形県まちづくりサポータ
           ミズ・アカデミー(顧問)

チャレンジのきっかけ

二十数年前に、商工会婦人部の初代婦人部長を任されていた頃、様々な商品開発や川西町をメインとしたイベントなどを計画し、実行していた佐藤さん。実行するもの全てが上手くいき、大盛況のうちにイベントは終了していたが、どれだけ大盛況・大成功のうちにイベントが終了しても、イベントの終了後、なかなか達成感が湧かず、虚しさだけが残り、自分でも理由がわからず「何故なんだろう?」と思っていたと言う。けれどそのうちに、自分がもっと光る何か(宝物)を持ちたいと思い、以前から「社会教育」に関する様々な考えを、ある指導者から教えてもらっていた事もあり、若い頃から思っていた女性の自立に対しての強い思い入れと、自分を含めた女性の意識改革を行うことで、自分も輝きを放つことが出来るのではないかと、平成2年、女性の学習グループ「ミズ・アカデミー」を立ち上げた。また、商工会の婦人部にも籍を置いていた事もあり、どうにかして川西町を盛り上げられないかとの思いから、川西町中心商店街の空き店舗を活用した、町内の主婦たちが運営する「まちかどショップ ダリア」を平成18年10月にオープンさせた。

 

チャレンジの道のり

当時、周りの人達は女性の意識改革と一言でいっても難しいのではないかという意見がほとんどで、賛同する意見が少なく、それが一番苦労した事だったと言う。そのような意見を持つ人達を、どうすれば意識改革というステージまで上げる事が出来るのか、意識や考え方を変えるのには、何をすればいいのか、佐藤さんが思いついたのは、相手の事を褒めるようにするだけ。女性同士は、どうしてもお互いの足を引っ張り合う傾向がある。相手に対して、陰で悪口を言う事が多い。その意識を改革する為には、まず、相手の事を褒める事から始める。初めのうち、褒める相手は身内でもかまわない。一日一回は相手の良いところ見つけ、相手を褒めることから始める。この一見簡単そうに思える、『相手を褒める』という事は、自分が相手の事をよく理解し勉強していないと出来ない事なのだ。この事が、「ミズ・アカデミー」内での学習会につながっていく事になる。

料亭喜楽で伝統料理と地酒を嗜む会
活動の様子

現在の活動内容

女性をターゲットにした生涯学習「ミズ・アカデミー」と「おきたま未来学講座」などにかかわりながら、地域の社会奉仕活動に取り組んでいる佐藤さん。また、次の世代の子供たちの安全を守る目的から山形県の少年補導員連絡会の会長も務めている。 本業でもある味噌製造業においても、「酢屋吉正」だけのオリジナル商品開発にも励んでいるなど、その活動は多岐にわたっている。ダリアの球根の味噌漬や、南蛮納豆など一度食べてみては如何でしょうか。

今後の目標・メッセージ

学びに取り組んだ10年間、初代学長として学んだことを、川西町や近隣の地域や世界に還元することが今後の目標。自分を育ててくれた指導者の方々や、周りの人達に感謝しながら知的財産を少しでも多く増やし、これまでのコネクションを次の世代に継承してく事が大事と語る。平成18年にオープンした、「まちかどショップ ダリア」の活動も川西町駅前の開発の関係で現在は活動をお休みしており、今後はそちらの再活動に目標をおき、伝統惣菜の販売やオリジナル商品販売の店だけではなく、町内外の主婦の方や高齢者の方々の交流の場として、または情報発信基地としていきたい。と、意欲をみせていた。
最後に、「何かを起業したい。」「何かにチャレンジしたい。」と思うならば、まず「出来ない。」という考えを捨て、「出来るんだ。」という信念を持ち続ける事が大事。行動も何も起こしていないうちから、「出来ない。」では、本当にそこから先に進むことは、まず出来ないと話してくれた。

(平成23年1月取材)