プロフィール
■活動履歴
山形県内の農協で生活指導員として従事
平成15年 3月 農協を定年前に早期退職
平成15年 4月 自宅敷地内で農産加工の製造販売を始める
平成15年10月 農家レストラン「季節の味彩 楽舎[らくや]」をオープン
■資格
栄養士
チャレンジのきっかけ
山形県内の農協で長年、生活指導員という立場で農業の現場に従事してきた。農家の自給拡大に向けた取り組みを農家の方々と一緒に探りながら、野菜づくりの勉強会や収穫された農産物を地元で販売する“地産地消”の青空市場を立ち上げた。
農協での経験を生かし、自身で運営してみたいという気持ちから定年前に早期退職したのち、まずは自家栽培された野菜で無添加の漬け物、お米を使ってお菓子などの手づくり農産加工品の製造販売をはじめた。
チャレンジの道のり
農家の実態を学ぼうと開催された首都圏の生活クラブ生協との交流会で、おもてなしにと手づくり料理を振舞ったところ、「こんなに美味しいものを食べられるということは何よりも幸せなことですね。」と涙ぐまれたことがあった。ごく当たり前と思っていた食材の有り難さや料理する楽しさに気づかされ、逆に農家が生活していく姿を教えられた。
これが心の中にあったこともあり、NPO法人「サポート唯」の協力のもと山形県から助成事業の支援をうけて、100年以上前の家屋を利用した農家レストランを開いた。今田家の住まいを開放してのレストラン。家族の協力が無くてはできない。
「今田農園の今の農産物を原材料としての献立が大原則ですので、お客様に旬のおいしさを味わっていただき、おいしいと喜んでいただけるのは、季節毎に切れ目なく野菜や果物を作ってくれる家族のおかげですね。」
「床の間の掛け軸からも季節感が感じられるように、とじいちゃんがインテリアコーディネーターの役割を担ってくれています。」
現在の活動内容
当初は秋の収穫祭として地産地消の田舎料理を食べる一日だけの農家レストランだったが、参加者の評判が良かったため季節の催事やお祭りなどでの会食を提供することに。
「不定休でご予約いただいた日のみのちょっと変わった営業ですが、家族や友達グループでご都合の良い頃合に気軽にお声がけください。」と今田さん。昨年は延べ1千人のお客様にご利用いただいている。
一人でこなせない時などはJA時代の仲間や地元の方にお手伝いいただいている。「皆さん素人ですがそれぞれ得意な分野があり、料理の味付けはもちろんのこと、会場の設営、料理の盛り付けなどプロ顔まけの腕で助かっています。家族の健康を願う主婦ならではの感性が生かされた食事会を作り上げてくれます。」
昔から伝わるお膳と陶器に、通常は前菜や主菜などを盛り合わせて大体20品ほど。採れたての野菜、四季折々の産物があって、いろいろなアイデアを加えながら食卓にのせる料理をつくり上げている。
農産加工分野でもその季節に採れる野菜を使って漬け物にしたり、伝統に学びながら凍みもちや笹巻・なだ巻などの菓子にみそ加工も加わりこれらを直売している。
今後の目標・メッセージ
“やるなら楽しまないと”という気持ちと屋号を組み合わせて「楽舎[らくや]」にした。
「身の丈にあった小さな目標から描き積み重ねて満足しながら、周囲の方にも喜んでもらえたら嬉しい。」
地域サークルでは味噌づくりの講師として、最近では”身近な専門家に学ぶ”と題した溝延小学校のクラブ活動でゲストティーチャーとしてかぼちゃを使った料理教室を開いたりと、月1、2回くらいの頻度でたくさんの人に食文化を伝える活動も続けている。
「地産地消・食育に関する講演もご依頼があれば出かけます。郷土料理・伝統食として楽舎の創作料理講習会になる場合もありますね。」
「目標を持ったときは行動するときですね。」
「最初から”こうします”というのではなくて、”こうしたいのだけどどうしたらいいか”と相談します。」と今田さん。お店を立ち上げるときも運営していくにも、周りの方々の協力が得られやすいよう心配りが大切という。