マリンバ ピアチェーレ

プロフィール

平成22年     任意団体マリンバ ピアチェーレ発足

平成23年6月  東日本大震災復興チャリティーコンサート開催(以後毎年開催)

平成23年11月   0歳からのコンサート「音楽と絵本の贈りもの」開催(以後毎年開催)

平成24年     テルサアプローズに於いてマリンバアンサンブルコンサート

         「木音の彩り」を開催

平成25年          山形市民会館自主事業「音楽でめぐる世界の旅」開催

平成26年11月  「マリンバであそぼう!」~みんなでミニコンサートをしよう~

       小学生向けワークショップ他多数開催

平成26年12月   マリンバフェスティバル 開催 (文翔館議場ホール)

受賞歴

平成26年度        山形県男女共同参画社会づくりチャレンジ賞

 

チャレンジのきっかけ

 高校、大学ともマリンバ一色と言っても過言じゃないほどの生活を送ってきた縄野さんが、結婚を機に静岡で暮らすことになり、子育てに追われた期間はマリンバを手にすることもなかった。

 「小さい時から続けてきたのに…と悶々することもありましたが、一度ブランクを作ってしまうと、一歩踏み出す勇気や自信が無くなってしまって。7年後に故郷の山形に戻ってきましたが、子どももまだ手がかかるし、家のこともあるので‘すぐに演奏活動を’という状況ではありませんでした。」

 そのうえ、当時、山形にはマリンバ奏者が1人もおらず、アンサンブルとして一緒に演奏できる相手もいない。

 「演奏をしたくてもできる環境ではなかったんです。長い間、指導者が山形にいなかったこともマリンバ奏者が育たなかった要因だと思います」

 しかし、様々なオファーもあり徐々に演奏活動を再開していった。

 「そうこうしているうちに、音楽大学を卒業した若い人たちが山形に戻ってきたんですね。ちょうど演奏会の仕事をいただいた時だったので意を決して‘一緒にアンサンブルをしてほしい’とお願いしました。それが、マリンバピアチェーレを立ち上げる元々のきっかけになりました」

 現在のメンバーとして確立したのは、それから1年後のこと。

チャレンジの道のり

 どのコンサートもそうであるように、演奏会を開くためには多くの人たちの手助けが必要となる。マリンバは大きな楽器のため、運搬にも数人の人手がいる。PRのためにチラシを作るにも撒くにもメンバーだけではできない。「スポットライトに当たるのはメンバーだけですが、その陰には家族や学生さん、NPO法人山形の音楽活動を応援する会・Mプロジェクト等、たくさんの協力者がいます。」

 また、行政の支援を受けることも活動の継続には必要なこと。

 「最初の頃は行政向けの企画書を作るのにも慣れなくて、夫にアドバイスしてもらったりしました。コンサートが近づくと夜集まって練習することもあり、家を空けることも多くなります。そういう時も家事をしてくれたり、夫の協力がなかったらできないですね」

現在の活動内容

 マリンバピアチェーレは、0歳からのコンサート「音楽と絵本の贈りもの」、一般向けのコンサート、小学校低学年と高学年向けのワークショップを主に、マリンバ演奏を通して子育て支援や子どもの情操教育等の社会貢献活動に取り組んでいる。
 0歳からのコンサートを始めたのは、縄野さん自身が子育て中に子どもを連れて行けるコンサートが無く、寂しい思いをした経験から。親子で気軽にコンサートに来てもらい、子どもが騒いでも気にしなくても良いコンサート。お父さんとお母さんには音楽に耳を傾けながら楽しんでもらい、子育て中の負担や不安を解消できるように、子どもたちには音楽だけでなく、絵本の読み語りやパントマイム等で音楽に親しんでもらうための工夫がいっぱいだ。会場には「赤ちゃんサロン」を設け、親子の交流や保育士による子育て相談の場を提供している。
 「小学生のワークショップは私たちの演奏だけでなく、ボディーパーカッションを使ったリズム遊び、そして、実際にマリンバを子どもたちに演奏してもらってミニコンサートも行います。全くマリンバをやったことがない子どもたちですが、練習する時の集中力がすごいんですよ」こうして直接触れることでマリンバのことを知ってもらう最初の一歩になればと願っている。マリンバに親しんでもらうために心がけていることは、自分サイドではなく、聴きに来てくれた人たちに楽しんでもらえるプログラムや会場の演出。「音楽をやっている人もやらない人も楽しいと思ってもらえるような曲を選んで、その中にマリンバのオリジナル曲を入れるというようなプログラム構成にするようにしています」

今後の目標・メッセージ

 仙台には以前から指導者がいたということで、マリンバ奏者が何十人もいる。
 山形では、まだまだマリンバが知られておらず、いろんなところで演奏しながらマリンバの普及に努めていきたいと考えている縄野さん。

 「来年は0歳からのコンサートがスタートして5周年になるので、山形市内だけでなく、近隣の市町でもコンサートをやりたいですね。他のメンバーは独身なので、結婚等これから環境が変わってくることもあるかと思います。私自身の体験談を伝えながら、チームワーク良く一緒にやっていきたいですね」

 縄野さんが教えた生徒たちが山形に戻ってくる頃、山形のマリンバ界も新たな展開を見せてくれるに違いない。

(平成26年12月取材)