プロフィール
■活動履歴
平成 7年 寒河江市の切削工具製造業「株式会社マイスター」へ入社
平成14年 子育てと仕事を両立させながら、国家試験「切削工具研削二級」資格取得
女性としては県内初の「切削工具研削二級」の合格者となる
チャレンジのきっかけ
渡邉さんの勤務する「株式会社マイスター」は、切削工具を設計・製作している会社である。切削工具とは、精密機器や自動車部品などを製造する機械に用いる刃具のことで、渡邉さんは、回転するダイヤモンド砥石で金属を削る業務を担当している。一度切れなくなった刃先を、新品同様に切れ味を回復させ部品の精度を維持する重要な仕事だという。
「切削工具研削二級」資格取得のきっかけに関して、渡邉さんはこう語る。「資格取得に必要な年数も過ぎたし、当時は子供も1人だけで試験も受けやすい状況にあったので、資格取得に挑戦してみようと思いました」。
チャレンジの道のり
切削工具研削の世界は“技を見て盗め”といわれる厳しい世界、ただ仕事をこなしているだけで技術が身につくというわけではない。そこで渡邉さんが思いついたのが、先輩に教わったことや作業の手順、気がついたことなどを、克明にノートに書き留めることだった。「ノートをつけていると、メモを振り返りながら自力で解決することができる。そうすることで、自然と技術が身に着いていくんですね」。
渡邉さんが取得した、国家試験である「切削工具研削二級」の受験には、最低2年以上のキャリアが必要とされる。渡邉さんは、受験するにあたり、普段の仕事と並行し、社内で年100時間にわたる研修を受けてきた。そして入社7年目、検定試験に初挑戦し見事合格をはたす。「子育てと両立しながら技術を磨いてきました。合格できたのは、会社の同僚や家族の協力のおかげです」。渡邉さんは、女性としては県内初「切削工具研削二級」の合格者となった。全国的にみても女性の資格取得者はめずらしいとのこと。また、資格を取得したことで自分に対する自信にもつながっていったという。
現在の活動内容
職場はグループ単位での仕事になっており、渡邉さんのグループは、女性5名、男性2名で作業を行っている。女性の多いグループなので、結婚や出産などでいったん職場を離れる職員もいるが、その後に仕事復帰するというのを繰り返しながら、現在も変わらず仕事を続けているとのこと。作業内容も、男性、女性は関係なく、同じ内容の仕事を行っている。
切削工具研削というと、職人の世界で男性中心だと思われがちだが、現在では職場の4割を女性が占めている。そのため、男性職員もなるべくきれいな環境を保つよう心がけるなど、男女ともに尊重し合い居心地の良い職場環境をつくることを心がけている。
今後の目標・メッセージ
今後は、後輩達の育成に目を向けていきたい。先輩たちにサポートしてもらいながら、ここまでやってこられたので、これからは切削工具研削一級を目指して、自分自身を高めながら後輩の育成に力を入れていきたい。