プロフィール
■活動履歴/受賞歴
平成 3年 「新庄・護美の会」発足
平成11年 「山形創造NPOネットワーク」設立
平成12年 第1回山形県男女共同参画社会づくり功労知事表彰(個人)
平成15年 特定非営利活動法人「NPOもがみ」設立(理事長)
平成16年 福島大学大学院 修士課程修了
平成17年 特定非営利活動法人「山形創造NPO支援ネットワーク」設立(代表理事)
交通安全母の会山形県大会 記念講演「あなたの参加で地域が変わる」
平成18年 東北農業土木学会 記念講演「地域活動から市民への育ち合い」
ほか多数
■主な役職
現職:山形創造NPO支援ネットワーク代表理事、NPOもがみ理事長、㈱新庄TCM取締役、山形いのちの電話評議員、若年者雇用問題検討会、やまがた緑県民会議委員、新庄市協働評価委員会会長
過去の役職:山形県行財政改革懇話会委員、山形県教育振興計画審議会委員、山形県農業・農村政策審議会委員、雪国のみちづくり懇談会委員 ほか
チャレンジのきっかけ
尾花沢生まれ、新庄育ちの沼野さんだが、仙台の大学に進学。その後、仙台の食品添加物や食材の研究開発を行う民間会社に就職する。当時は、結婚退職が当たり前の時代。しかし、出産後も働きたいという沼野さんの希望に対し、会社は初めて出産と育児の時間を設けてくれた。子育てしながら毎晩10時位まで仕事する日々が続き、あまりの激務に体重が40kg位まで激減、体を壊してしまったこともあった。
そんな折、ご主人の就職で地元新庄へ戻ることとなる。帰郷後、労働環境、子育て、セクハラなど、個人的問題だと思っていたことが、みんなに係る全般的な問題であると、認識を新たにした。「それがきっかけとなり、自分で勝手に言っているだけなんですけど、『地域活動家』として活動を始めることになりました」。
チャレンジの道のり
平成3年、最初はたった2人で「新庄・護美の会」を設立。身近な暮らしから環境問題を考えていこうと生活に根差した活動を行い、ゴミ問題を中心に様々なことに取り組む。特に新庄市内の小中高校の子ども達を巻き込んだ、制服や体育着等のリサイクル交換会では「もったいない・まだ使える」の気持ちを伝えたいと7年間で10回の開催を数えた。
また、新庄発の「山形新庄大豆畑トラスト」にも参加。遺伝子組み換え作物は「ノー」と、農家と消費者の勉強会を積み重ねて食の安全と命を守る運動を展開。「毎日毎日、雑草と戦って、お天気と戦って、それでも全滅したことがあって、一口4千円の年会費でも品物が誰にも届けられなかったんです」。生産者と消費者が本音で話し合い「私達の食の安全と命を預けているのだから、お金は返さなくていい」と消費者。トラスト大豆による醤油や味噌等を商品化し、現在の会員数は280名と、全国的にも大きな運動体へと成長した。
現在の活動内容
「山形創造NPO支援ネットワーク」は、山形県内のNPO中間支援組織で、市民活動団体の法人設立支援や活動基盤整備を行ってきたNPO法人である。「やまがた力を高める」事業を始め地域づくり団体全国協議会山形県事務局となっているほか、自治体との連携も図っている。「平成15年に開催された国民文化祭のボランティア全般を担当しました。約500名の山形県内の個人やボランティアを組織化して、駐車場の誘導係のようなものから全部引き受けて国民文化祭をバックアップしました。分かりやすくいうと“黒子”ですね・・・(笑)」。
「NPOもがみ」は、個人の熱き思いがうまく組織づくりに反映されるよう応援したり、最上の価値を発見し残されたよい事を地域づくり活動に結びつけていけるようサポートしている。個人から組織して法人化した実績もある。「子育てネットワークは、たった一人から始まったものでした。現在もその組織は生き生きとやっています。組織が地球が回るようにうまく自転していけば、私達はすーっと離れていきます。それが私達の役目だと思っています」。“目指すところは市民自治の実現です”と沼野さんは語る。
今後の目標・メッセージ
ある時、NGOの方に『自分の原点をよく考えて』と言われて、最初の職場での経験が原点だったのだと初めて気が付いた。改めて、保育環境の問題、働く女性の問題、新庄・護美の会の問題、高齢者の問題、町づくりの取り組み、全ての原点はそこだと感じた。だから、少しでも困っている人の役に立ちたいし、まだまだいろんな人に助けていただかないといけないが、「地域活動家」として、“地域の人々の心の拠り所”であり続けたい。