特定非営利活動法人
やまがた育児サークルランド
チャレンジ分野:

プロフィール

■活動履歴/受賞歴
平成10年  「やまがた育児サークルランド」発足
平成13年3月~17年12月  「子育て通信」(山形新聞 毎週月曜日221回掲載)
平成14年~16年 「みんなでやまがた子育て応援団事業」実施、県内各地でボランティア育成を行う
平成14年  「子育てランド あ~べ」運営スタート
平成15年  「特定非営利活動法人 やまがた育児サークルランド」設立
平成18年1月~ 「家族通信」(山形新聞 毎週水曜日 連載中)
平成19年  山形県男女共同参画社会づくり功労者等知事表彰 「チャレンジ賞」受賞
         ほか多数

チャレンジのきっかけ

山形はもともと地域ぐるみの子育て機能が働いているといわれ、育児サークルが数多い地域。「やまがた育児サークルランド」代表者の野口さんも、育児サークルを運営していた一人で、ある時自分のサークルの様々な問題に気がついた。そんな中、「サークル同士で情報交換や連携をとれば、共通の問題を解決できるのでは?」と思いついたのだという。
それから、野口さんは山形市内にある各サークルに声かけし、サークル間の交流の場を設けるよう努めた。それを機に、「育児サークルをネットワーク化し、自分達の経験をみんなで共有しよう」と団体の立ち上げを決意。定期的にサークルのリーダー研修会を開催し、互いの情報や子育てのノウハウを交換するなどの活動を行なっていった。

チャレンジの道のり

平成14年度~16年度「みんなでやまがた子育て応援団事業」では、県内各地で託児付の子育てボランティア養成講座を開催。活動エリアが従来の山形市から県内全域に広がった。具体的な活動として、子育てボランティアの育成、グループ立ち上げの支援などを行った。現在も、その時育成したボランティアグループと連携をとりながら活動している。「グループ立ち上げ支援は重視しています。また、グループ立ち上げ後も、『相談しながら、みんなで協力して改善していこう』という姿勢で活動を行っています」。
また、国や県などの助成、委託を受け、地域で山形の育児サークルの活動実態や子育て環境などに関するアンケート調査にも力を入れてきた。その結果を活かし、具体的に必要とされている活動を行ってきたという。
「私達はNPO法人なので対価を求めるというよりは、サービスを提供しながら地域社会をよくするのが目的です。少しでもお母さん達を理解してみんなでやっていこうという考えがベースになっています」。

IT講座「エクセル入門」受講風景
「パパとあそぼう」講座

現在の活動内容

「自分達が困ったことで、次のお母さん達が困らないようにしようを合言葉にしてきた」と野口さんは語る。平成14年に県と山形市が検討していた、山形市の中心市街地での子育て支援事業に対し、親子の遊び場、託児施設などを備えた「子育てランドあ~べ」を提案、設立する。そこを活動の拠点とし、翌年、NPO法人となる。
「子育てランドあ~べ」では、以前の経験を活かし、活動を行ってきた。まずは、親子で安心して遊べる場所として広く親しまれている「おやこ広場」がある。『冬場や天気が悪い時に子供を遊ばせる場所がない』との声が、以前行ったアンケート調査でも多数あったことを受け、実現することとなった。そのほか「託児ルーム」では一時保育を実施。ちょっとの間子供をみてもらいたい時や、不規則勤務の母親が市内中心部で交通の便がよい「子育てランドあ~べ」を利用することもよくあるという。「研修室」では、子育て講座や、手づくり講座など、託児付きで学べる講座を多数開催している。また、「IT講座」を行い、子育て後、仕事復帰を目指す母親の自立も支援している。

今後の目標・メッセージ

最近の活動としては、平成17年から始まった、「やまがた子育てサポート応援団」(厚生労働省委託、緊急サポートネットワーク事業)がある。この事業は、働く母親、父親の子育てと仕事の両立をサポートするのを目的としている。具体的には、仕事で残業や出張などがあった際に、保育所へ迎えに行ったり、自宅などで子どもをあずかる会員制サービスである。「社会の変化により、子育ての状況は変わっていくと思います。それに合わせ、お母さん達が必要としていることを考え、実行していくのが私達の役目だと思っています」。
本来なら、楽しいはずの“子育て期”。一人ぼっちで子育てしている母親が減り、子育てを楽しみ、喜びを持てるような地域にしていくのが、「やまがた育児サークルランド」の夢であり目標である。

(平成20年3月取材)