特定非営利活動法人天童NPO支援サロン 理事
堀川敬子さん
チャレンジ分野:

プロフィール

平成 3年 東京で6年間IT系ベンチャー企業勤務を経て山形へ帰郷。株式会社ながせ勤務

平成12年 有限会社エスアールプランニング勤務

平成13年 特定非営利活動法人天童NPO支援サロン設立、理事に就任。有限会社エスアールプランニング退社

平成15年 観光カリスマ工藤事務所勤務

 

山形県地球温暖化防止活動推進委員、山形県青少年ボランティア推進会議委員、山形県男女共同参画センター企画運営委員、山形県男女共同参画センター「チェリア」サポーター、山形県「やまがた集中改革プラン」の推進に関する第三者委員、温暖化対策「一村一品・知恵の環づくり」事業実行委員会、村山地域地球温暖化対策協議会監事、NPOの底力をつける実行委員会「山形まちづくり学校」事務局その他、コーディネーター、パネリスト等、活動は多岐にわたる。

チャレンジのきっかけ

時はバブル景気まっただ中、東京のIT系ベンチャー企業に勤務していた堀川敬子さんは華やかなOL生活を満喫していた。しかし堀川さんの心に常にあるのは、故郷・山形への思いだった。山形新幹線の開業や通信インフラの発達などで、地域格差の縮小を感じた堀川さんは、平成3年帰郷を決意。家業の青果物卸・販売業、株式会社ながせを手伝いをはじめる。IT系企業勤務の経験を生かし、同社専用の請求書発行システムをプログラミング、稼働させる。その後、株式会社ながせのシステムを管理していた有限会社エスアールプランニングに勤務。システム関連業務のほか、地元の知人が手がけていたコミュニティ雑誌の編集・制作も担当したという。
仕事を通してさまざまな人々・業種と接するうちに、だんだん市民団体や活動に関わるようになった堀川さん。当初は軽い気持ちで天童商工会議所青年部(YEG)や、天童青年会議所(JC)に顔を出していたというが、知人の「NPOでも立ち上げてみては?」という一言をきっかけに一念発起、平成13年に特定非営利活動法人「天童NPO支援サロン」を立ち上げた。

チャレンジの道のり

「明確な目標を持って始めたというよりは、NPOって何?儲かるの?なんていうくらい、右も左もわからない状態からのスタートだったんです」と笑って話す堀川さん。手探り状態の中、平成13年に山形県で開催された「全国生涯学習フェスティバル」での事業に携わった。
以降、自治体からの委託事業を中心に、さまざまな活動に参加。「来るもの拒まず、話があれば何でも引き受けましたね」。何にでも関心を持つ元来の好奇心の強さとフットワークの軽さ、そして誰とでも打ち解けられる性格から、堀川さんの活動範囲はどんどん拡大。肩書きが名刺に収まりきらないほどになった。
そんな堀川さんの活動の原動力は、なんといっても「人との出会い・つながり」だ。 観光農業のプロデューサーとして有名な寒河江市の工藤順一氏、 かつては情報誌を14誌も立ち上げ「創刊男」と異名をとる経営コンサルタント・くらたまなぶ氏、そしてまちづくりや人材育成の分野で著名な宇都宮大教授・廣瀬隆人氏らとの出会いは、堀川さんに大きな影響を与えた。世の中を動かしている官、しかしそこに民の声を届けるにはどうすべきか…。NPOの存在意義、そしてその活動内容や方向性について深く考え、見つめ直すきっかけとなった。
そして平成16年、堀川さんは自身のNPO活動と並行して、県男女共同参画センター主催の女性リーダー育成事業「チェリア塾」を受講する。異業種ながら、志しの高い女性たちとの出会いはお互いに刺激となり、さらに人とのつながりを広める足がかりともなった。

ボランティアマネジメント研修会で講演をする堀川さん
庄内ボランティアフェスティバルにて。前列左から3人目が堀川さん

現在の活動内容

現在、地球温暖化防止活動推進委員、桜桃(チェリア)の会会計、NPOの底力をつける実行委員会「山形まちづくり学校」事務局などなど、書ききれないほどの活動を行っている堀川さん。
「今までの出会いすべてが、今の自分を作っていると思います。いい意味で人に導かれるまま歩みを進めてきました」。何に対しても興味を持ち、まずは考えるより先に流れに乗ってみる。そこから自然と人脈が広がり、道が開けていく。
「自分に何か足りない部分があっても、周囲を見渡せば必ずそれを補ってくれる人がいるんです。まずは、足りないものは何か、何ができるのか、自分自身をよく知ること。そして自分の意思をとにかく口に出すこと。しゃべれば必ず誰かが耳を傾けてくれる。自分が動けばおのずとイメージしたものが具現化するものなんです」。堀川さんが、自身の体験を通して得た成功の秘訣だ。自分自身の経験と、人的ネットワークはかけがいのない資源だという。
自身のNPO活動を続けながら、NPO中間支援組織という立場で、次のリーダー育成にも力を注いでいる。

 

今後の目標・メッセージ

「子育てが終わる50代前後の女性は、表に出るどころか働く場所すらないのが現状。家庭を守り子どもを育て主婦同士のつながりを持ち、多くの経験を重ねてきた女性は、実はものすごいパワーがあるんです。ノウハウさえ身につければ、彼女たちはグッと変われる。本人が変わると、その周りも大きく変わるんです」。実際に、行動を起こすことでみるみるうちに輝き出した女性を何人も目の当たりにしているという。
前述の「チェリア塾」などは女性が変わるいいきっかけになる。堀川さんはNPO支援という立場から、そういった類のセミナーも積極的に開催している。
ダイヤモンドの原石たちを啓発し、どんどん表舞台に引っ張りだしたいという堀川さん。「NPOのように肩書きや儲けに関係なく活動している人は、本当に魅力的。これからもこういう人を増やしていきたいですね」。

(平成20年7月取材)