やまぶどうの会

プロフィール

平成24年4月    月の沢温泉北月山荘に主婦レストラン「やまぶどう」開店

平成26年12月3日 北月山荘リニューアルオープン

チャレンジのきっかけ

 庄内町立谷沢、北月山荘周辺を流れる立谷沢川は、月山のブナの森から生まれる清流で、平成の名水百選に選ばれている。
 会の代表を務める兼古哲也さんが10数年前にUターンした際、流域を散策していたところ、北月山荘周辺の自然環境の素晴らしさを再認識した。
 「久しぶりに目にした古里をファインダーに収めるうちに、これだ!と気づいたんです。米や野菜やイワナ、そして人を育む清流。その源である月山の自然。こんなに素晴らしい財産を活かさないのは、なんて“もったいない”のだろうと。」

チャレンジの道のり

 当時の北月山荘は町のスキー場に付随する山小屋として営業してはいたものの、その事業は縮小傾向にあった。
 「なんとか地域活性化の拠点として北月山荘を活かせないかと、当時所属していた立谷沢川流域振興プロジェクト協議会のメンバーからも協力してもらい、動き出しました。北月山荘には温泉もありますので、温泉につかって、町内で採れた地場食材100%の食事を味わってもらうところから始めてみようと考えました。そして、町内の料理上手な女性に声をかけ、やまぶどうの会が発足。北月山荘に“主婦レストランやまぶどう”がオープンしたんです。」

現在の活動内容

 平成26年11月現在、やまぶどうの会の会員は13名。レストランのメニューは副代表の小倉さんを中心にメンバー全員で毎朝考えている。メンバーのほとんどが農家の主婦ということもあり、地元の月山野菜(野菜・山菜・きのこ・いわな等の総称)を持ち込み、地元の味を提供している。
 「味の決め手は、月山で育まれた水と、丁寧にとった出汁です。かつおぶし・昆布・にぼしを使ってきちんととった出汁を、味噌汁や煮物などにたっぷりと使っています。“地元”にこだわった食材・食文化を活かし、“ここだからできること”を突き詰めていきたいと考えています。」
 昼食の他、宿泊客への夕食・朝食、シーズン中は登山客へのお弁当作りなど、早朝から夜遅くまで腕をふるっている。現在は口コミで評判が広がり、全国各地からの登山客が多く訪れている。ホテル・旅館の口コミサイトでは4.81という高評価を得ている。

この日のランチタイムのメニューは、手間暇かけてつくられた「胡麻豆腐」や地元で食される山菜「どんごえ」の煮物など小鉢8品(各110円)。利用者はビュッフェスタイルで好きな小鉢を選ぶ。
イワナは炭火でじっくりと火を通す。パリッとした皮の中には、ふっくらと甘 い清流育ちの身がしっぽの先まで入っている。

今後の目標・メッセージ

 より快適に利用してもらえるようにと、12月3日にリニューアルオープンした北月山荘。温泉や暖房などの燃料に、木質バイオマスエネルギーのペレットを導入し、館内完全暖房を実現。ペレットで温めているので、お湯もやわらかく感じられるという。
 「食事の味・温泉・施設、すべてにおいて「人にやさしい」をテーマに、これからもサービスを提供していきたい。北月山荘が滞在型ツーリズムの拠点となるよう、月山登山や砂金採りなどのインストラクター、おみやげ品・食材を作る地元の生産者などを養成することで、雇用の創出にもつなげていきたいと思っています。地域活性化は、地元の人をいかに巻き込めるかが重要。地域住民がやることに価値があります。北月山荘を拠点に、町の活性化のすそ野を広げていきたいと考えています。」

(平成26年11月取材)