プロフィール
福岡県北九州市に生まれる。
大阪の調理師専門学校卒業後、東京で病院、小中学校の給食の調理師として勤務。
H12年、鶴岡へ。アル・ケッチァーノの奥田シェフと出会い、庄内の食の良さを伝える活動を始める。
酒田調理師専門学校(食材論担当) で講師を務め、山形大学農学部主催の「おしゃべりな畑」では1期生。「在来作物案内人」の認定を受ける。食育インストラクターを取得し、現在は「鶴岡食文化創造都市推進プラン策定委員会」の委員も務める。
また、自身のお店「焼き菓子工房スイート☆みぃ」を経営している。
食の大切さを伝える活動として食育教室を開いている他、出張料理教室なども精力的に行っている。
チャレンジのきっかけ
子ども時代、ご両親から本物の食材に触れる機会を多く与えてもらったそう。おいしい魚を食べるために、知り合いの漁師さんから船を出してもらって、獲れたての魚をもらって来るなんてことも。料理上手なお母さんの手伝いをしながら、次第に興味を持ち始め、料理の道へ。東京で調理師として経験を積んだ。
縁あって鶴岡に移り住んだ海藤さん。慣れない東北での生活の中で、自身のレシピをテレビの企画に投稿したり、コンテストへ参加したりして、料理との関わりをつなげていた。
自分のレシピをもっと良くしようと考え、アル・ケッチァーノの奥田シェフを訪ねたところから、色々な活動を始めることとなる。奥田シェフから「君の思いはこんなに大きな車輪だけど、知名度や実力はまだ少なく、小さい車輪だ。これじゃバランスが悪くて傾いてしまうよ」と言われ、もっともっと勉強して、経験を積みたいと思ったという。最初は、雪が多い冬を好きになれなかった海藤さん。でも、「冬の寒さや雪融け水が野菜をおいしくするんだよ」というシェフの言葉で、庄内の食の魅力にも気付き、庄内の食を伝える活動を始める。
チャレンジの道のり

奥田シェフとの出会いから8年。様々な経験を積む中で、色々な方との交流が生まれる。魚を題材にすれば、由良漁協の友人が手伝いに来てくれる。鶴岡市内のスーパーではレシピを紹介し、試食会も継続して行っており、取材に伺ったのは提供してきたレシピがちょうど100種類に達した節目の時。その試食会では、毎回訪れてくれる常連さんともなじみになり、イベント中楽しげに談笑する姿も見られた。
現在の活動内容
・食育インストラクターとしての活動・料理教室など講師としての活動
子どもに食の良さを伝えたいと、小学校などで、食育講座を行っている。子どもだけでなく、子どもに関わる大人、親や祖父母世代へ向けた講座も行っている。
活動していく中で、流動食など、障がい者の食事への関心も広がった。海藤さんが講師を務める子どもたちを対象とした料理教室では、障がいを持つ子どもさんもなるべく参加できるよう、主催者側に働きかけている。
・「焼き菓子工房スイート☆みぃ」経営
残念ながら、娘さんを5歳で亡くし、その娘さんとの約束だったとしてオープンしたのが、「焼き菓子工房スイート☆みぃ」
お菓子作りについて「最初はあまり得意ではなかった」と語る海藤さん。このお店では「出来立てで、その人のためにやさしい味」をコンセプトに、“他の店とちょっと違ったお菓子”をモットーとして作っている。
今後の目標・メッセージ
「今も幸せでありがたいので..」
「娘が亡くなって今年で10年。自分の娘だけの母としてではなく、地域みんなのお母さんになりたい」と語る。娘さんが生前によくしてもらったという鶴岡市に、恩返ししたいと考えて活動を続けている。それが、庄内の子ども達へ食育を伝えたいという原点。
「子どもたちの食に対する興味を引き立てていきたい。食べることが好きな子がたくさん増えるといいな。食べられることがありがたい、食べることでわくわくする経験をさせたい。食べ物の思い出をたくさん残してあげたい。」とキラキラと目を輝かせる海藤さん。
「10年後、自分が笑って健康でいることが目標です。そして、ちゃんと、自分の手で料理を作っている人であることも目標。自分が天国に行けた時に娘に褒めてもらえるように頑張っていきたいと思います。」