庄内コン実行委員会代表
三浦 明弓(みうら あけみ)さん
チャレンジ分野:

プロフィール

2009年         夫婦で経営するお店にてカップリングパーティーを開催する。

2010年   「やまがた婚活応援団+(プラス)」会員及び世話人、さらには「子育てするなら

      山形県」推進協議会に推薦され、委員を務める。

2012年3月     庄内恋愛教習所を立ち上げる。

2012年6月     庄内コン実行委員会 代表となり、街コンを開催する。

※『庄内コン』とは、「地域の人達のチカラで作る、地域のための街コン」をコンセプト   に、街ぐるみで行われる大型の婚活パーティー。

ご主人が経営する飲食店GoodLuckCafe(gouzeグループ)の専務として夕方から明け方までお店に立つ。

ご主人とは結婚10年目、2人のお子さんの母でもある。

チャレンジのきっかけ

 経営する飲食店にいらっしゃるお客様からの「いい人いない?」という問いかけがきっかけとなり、出会いのパーティーを開こうと思った三浦さん。自身のお店で開催したカップリングパーティーがきっかけで「結婚した」という、うれしい報告を聞くことで、自身の喜びにつながっていった。

 そうした中、TPOに合わせた服装が分からない男性や、年収や見た目だけで判断する女性たちを目の当たりにし、じっくり相手を知る機会が必要と、「庄内恋愛教習所」を立ち上げる。「庄内恋愛教習所」では、ホームページで会員を募り、婚活イベントを開催し、ファッションやコミュニケーション力など、恋愛に関る知識を、外部講師も交えてレクチャーするという活動を行っている。

 同じころ、「街コン」と言われる街ぐるみで行われる合コンイベントが各地で盛んに行われていた。三浦さんは、この流れをブームで終わらせるのではなく、「継続したものにしたい。さらにこの活動を通して、地域活性化にもつなげていきたい」との思いで、「庄内コン」を開催することとなる。

チャレンジの道のり

 「結婚した」といううれしい声が聞けるよう、続けてきた結婚支援の活動だが、いろいろな課題が見えてきたという。
 「最初は、出会いの場を提供して、『あぁ、結婚してよかった』という感じだったけれど、その中で1回限りのイベントでは心を開くのに時間が掛る人もいるし、1対1のお見合いの方が向いている人もいる。相談者の方々に合わせたいろいろな支援があっていいのかなということで活動の幅が広がって来ている。」
 また、山形県の人口減少に関る事業計画を協議していく場となる「子育てするなら山形県」推進協議会には、恋愛教習所や庄内コンを主催する以前からメンバーとして参加している。協議の場で、子育ての他にも、待機児童の問題、学童保育の問題(小1の壁)、若者が郷土愛をはぐくめるような教育・支援、さらには、郷土の為に何かしたいという気持ちを持つ若者たちが活動することへの支援が必要ということを知り、その思いを何か形にしていきたいと、活動を続ける。
 「鶴岡市が2040年には消えてしまうかもという切実なる問題があります。子どもたちが大人になるころには、生活が立ち行かなくなるかもしれないと危機感を感じています。何もしないで待っているよりかは何かしたい。“あの時何か出来たのではないか”と後悔したくない。そこまで考えてしまったんです。」
 庄内コンを運営しているメンバーは、特に報酬も無くボランティアとして手伝ってくれている。もちろん三浦さんも報酬があるわけではない。この原動力には、“自分たちが住む街を守りたい”という、将来に対する危機感がある。
 庄内コンは、男女合わせて200人、多い時で300人の参加がある。「鶴岡で300人規模のイベントというのは大きくて難しかったですが、必要されているんだなと思います。継続していかなければという思いで続けています。」

現在の活動内容

 飲食店の傍ら、様々な婚活に関する活動をしている。
 
・庄内コン実行委員会 代表
 庄内コンとは、独身男女が、複数の協力飲食店を回り、自由に食べて飲み歩きながら出会いの機会を探る婚活イベント。少子高齢化の原因ともなっている晩婚化・未婚化に歯止めをかけ、結婚に対して前向きに考えられるよう男女の出会いの場を提供するとともに、地域の飲食店に協力頂くことで、地域活性化を図るねらいもある。
 2012年に1回目が開催されてから、年に3,4回のペースで開催され、2015年4月には12回目が開催される。
 地域を元気にしたいという有志が集い運営しており、三浦さんはその代表を務める。
 
・庄内恋愛教習所 所長
 庄内恋愛教習所は三浦さんが中心になって始めた民間の非営利プログラム
 顔合わせのイベントで各自の動機を明確化した後に、ファッション講座を受講。その後、3,4回のミーティングで参加者自身がパーティーを企画、運営。最後のカップリングパーティーで告白。数か月じっくり時間を掛けて異性に向き合えるのが特徴。
 “教習所”と謳(うた)っているだけに、恋愛模擬試験がある。「出会い・恋愛・結婚に関する事業は、繊細で充分な配慮を必要とする」という思いから、恋愛についてのルールや、参加者の情熱を試験形式で確認するというユニークな取り組みだ。カップルになれば、教習所卒業となる。
 これまで120人の参加があり、12組のカップルが成立、その内4組が成婚した。男女の交流機会として浸透しつつある。
 
※庄内コンのイベントの様子
※庄内コン運営スタッフ

 
・県委託 高校生ライフデザインセミナー講師
 高校生ライフデザインセミナーとは高校生対象に、
5年後、10年後の自らの将来について考える機会を持ち、より良い人生設計を描くためのセミナー。
 このセミナーは、若い世代を対象に、結婚や子育て、家庭を持つことを前向きに捉える意識の醸成を行う山形県の「結婚・子育てポジティブキャンペーン」の一環として実施されている。県では、「婚活」という言葉の生みの親で、女性のライフプラン、キャリア、男女共同参画、ワークライフバランスなどをテーマに取材を続ける少子化ジャーナリスト・白河桃子さんの指導のもと講師を養成しており、県内には、三浦さんの他2名の講師がいる。
 
・お見合い支援
 「やまがた縁むすびたい」「つるおか婚シェルジュ」にそれぞれ登録し、ボランティアでの仲人活動を行う。

今後の目標・メッセージ

 “子どもの未来は大人の責任”と語る三浦さん。

 「今、若者がいい力をつけているのに、『働く場が無い』と県外に出て行ってしまう。大人が何かしないといけないですよね。次の目標は、結婚して、庄内に定住してもらうための後ろ盾を充実させて行くこと。雇用関係に詳しい人とタッグを組んだり、他分野に詳しい人たちとも連携出来ればと思っています。」

 出てしまった人口を取り戻すには、“庄内がまだまだ元気だよ”と示すことが大事だと思う。「出会いの数だけ庄内が元気になる。人が出会うと庄内も潤う」このコンセプトのもと、人と人とを繋ぐ活動を続けていく。

(平成27年2月取材)