プロフィール
1986年 山形市生まれ
山形市内の小学校~高校を卒業後、東京都内の大学の心理教育学科・同大学院へ進学。
2011年3月 修士課程を卒業
2011年4月 With優スタッフとして働き始める。
2012年4月 臨床心理士の資格取得
チャレンジのきっかけ
「思い起こしてみると、教師である両親の姿を幼い頃から見ていたことが影響していたのかもしれません。」
進路選びの決め手について、小林さんはこう答えた。常に学校という存在が身近で、いじめ・不登校・学校問題にも同時に身近だった。必然的に、教育関係の仕事に就きたいと考え、心理教育学科への進学を決めた。
チャレンジの道のり
小林さんは大学3年生から修士課程卒業まで、不登校などの問題を抱える小学生・中学生を受け入れる適応指導教室で、ボランティアとして活動。大学で学んだことを活かしながら、子どもたちを支えることにやりがいを感じ、熱心に足を運んでいた。
「卒業後の進路を決める際お世話になった教授から、ふるさとへのUターン就職を強く勧められました。私自身も、大学や適応指導教室のボランティア活動で学んだことを地元で活かしたいと考え、山形県内で就職先を探すことにしました。そこで、With優のフリースクールの存在を知りました。実際に足を運んだ際、With優の生徒たちが運営するカフェのお手伝いをしたのですが、カフェという解放された空間での活動は、大学で学んできた“相談室の中での支援”を大きく覆すスタイルで、強い衝撃を受けました。そして驚きと同時にその魅力に心動かされ、ここで仕事がしたいと強く思ったのです。」
現在の活動内容
小林さんが所属しているWith優は、2007年に設立。小学生~高校生を対 象としたフリースクール(月曜日~金曜日)が活動の中心となっている。教員免許を取得しているスタッフが、不登校などの原因で高校を中退・休学している生徒たちに個別指導を行う他、毎日の昼食作りも一緒に行うなど、アットホームな雰囲気の中で勉強やコミュニケーションを学んでいる。
小林さんが主に携わっているのは、With優が厚生労働省からの認定を受けて行っている置賜若者サポートステーションの仕事。山形県内は庄内エリア・村山エリアそして置賜エリアに設置されていて、15歳から39歳までが対象になっている。置賜ではこれまで550人以上が登録し、小林さんらスタッフが就職に向けての支援を行っている。
「まずは面談を通して、どういう仕事がしたいのか、またその仕事に就くためにはどういうアクションが必要なのかなど、相談者それぞれの状況や希望を聴き取った上で、自立に向けての方法を一緒に考えています。最初は就職することへの不安を強く持っていた方も、道筋が具体的に見えてくることで、意欲的になっていくのがわかります。1年で結果がでなくても2年目から結果がでる方も多く、あきらめずに成し遂げた喜びを共有できるところにやりがいを感じます。」
またWith優では、本格的な就職を前に就労訓練を積む場として、会員制居酒屋『結』を2013年の2月、米沢市中央にオープン。趣旨を理解した会員が客となり、多くの若者が接客や調理等を通して、自立への足掛かりにしている。
今後の目標・メッセージ
「生徒たちと一緒に日々成長しているので、まだまだ課題はありますが、先日うれしい出来事がありました。フリースクールの卒業生が短大・大学に進んだ現在の生活を、在校生にプレゼンテーション・報告会を開いたのです。卒業して、新たな環境で過ごす今だからこそ話せる在籍当時の思いや、楽しい新生活の様子を話す卒業生たちは、キラキラと輝いていました。こうした先輩の姿を見ることは、後輩にとって励み・目標になり、また以前の自分たちのように努力している後輩の前に立つことで、先輩もさらに成長していこうと、決意を新たにしていたように思えます。」
「もちろん、進学・就職したからといって悩みがなくなるわけではありません。社会に出てつまずいた時、つまずきかけた時には必ずここがある、だから頑張れると思ってもらえるような場所として、アットホームなサポートを続けていきたいと思います。」