プロフィール
平成18年8月 子育て応援団「あんよ」設立
平成27年10月 山形県男女共同参画社会づくり功労者等知事表彰
チャレンジのきっかけ
『子育て応援団あんよ』は、真室川町の子育て支援団体。町内の公共施設3ヶ所を拠点にして、『遊びの広場』を開設している。メンバーは現在37名。そのほとんどは山形県が主催する『子育て応援団養成講座』を修了した女性。
「私は平成18年に子育て応援団養成講座を受講しました。修了後、町の担当者から『町内の子育て支援活動をお任せできないか。』と声がけをいただきました。突然の申し出に驚きましたし、自分達にそのようなことができるのかと不安になりましたが、仲間に相談したところ『せっかくの機会だから、できる範囲でやってみよう』と一致団結。20代から60代のメンバーが集まり、『地域の子どもは地域みんなで見守ろう』をモットーに、子育て応援団あんよの活動が始まりました。」(佐藤令子会長 以下同じ)
チャレンジの道のり
「私たちが最初に始めたのは、これまで町が管理していた『遊びの広場』の運営でした。町の事業を任される、という経験が一度もなかったので、まさに手探りのスタートでした。『遊びの広場』は子どもたちが保護者と一緒に気軽に集まることができる遊び場です。最近は核家族が増えているので、遊び場という要素に加えて祖母世代とママ世代の交流の場になればと願い、さらに工夫を重ねています。運営するにあたり気をつけているのはスタッフの確保です。会場が町内3地区、それぞれ月2回ずつ開設していますので、年間計画を作成し、メンバー不足にならないように早めの声がけを心がけています。とはいえ、メンバーはとても協力的で、これまで人手不足になったことがないのが自慢です。」
現在、メンバーは60代、70代が中心。佐藤会長はその世代を『真ん中ばあちゃん(孫もいてお姑さんもいる、真ん中の立場にある女性)』と呼んでいる。その『真ん中ばあちゃん』が中心になって、遊びの広場の運営にあたっている。
時にはメンバー全員で集まり、昔懐かしいお手玉や、牛乳パックを利用した積木など、遊びの広場で使用するおもちゃを手作りしている。 「毎年、子育て応援団養成講座を修了した方が次々に入会してくれるので、現在のところ人手不足の心配がない状況です。皆さん活動に対してとても積極的なので、本当に助かっています。」
現在の活動内容
活動の中心である『遊びの広場』は、真室川地区の総合保健施設、釜淵地区の釜淵多目的集会施設、安楽城地区のふれあいセンター安楽城でそれぞれ月2回ずつ実施している。開設時間は9:30~11:30。参加は無料(年間スケジュール有り。親や保護者同伴の未就学児が対象)。真夏や真冬など外遊びが困難な季節には、廃校になった学校を利用した生涯センターや、町の総合体育館など広い場所を利用して、のびのびと走り回れる場を提供している。
また年3回『あんよカフェ』を実施。あんよカフェでは、漬物やぜんまい炒りなどの郷土料理を味わう他、あやとりや折り紙、めんこなどの伝承遊びを楽しむ。「あんよカフェには、スタッフだけでなく近所の高齢者も参加します。採れたての山菜や、収穫したばかりの新鮮な野菜を使って、さまざまな世代が一緒になって郷土料理を作ったり、昔遊びを楽しみます。料理は得意分野なので、スタッフもこのときは特に熱が入ります。実は参加者以上にスタッフが楽しんでいるのかもしれません。」
この他あんよでは、町からの依頼に応じて登園バスの添乗支援や、町や各種団体が開催するイベントでの託児協力も行ってる。
今後の目標・メッセージ
「遊びの広場を始めて10年目。もう高校生になった卒業生もいます。時折顔を見せてくれるのですが、成長した姿がとても頼もしく、嬉しい気持ちでいっぱいになります。いつかは遊びの広場にボランティアできてくれないかなぁ、と願いつつ、こうしたつながりをずっと大切にしていきたいと思っています。今のところは現状維持で精一杯ですが、あえて今後の目標を掲げるとすれば、遊びの広場に町議会議員さんを招いて、意見交換ができる場を設けたいと思っています。子どもを遊ばせながら、気軽に意見交換を行うことで、子育てについての要望や子育てで困っていることなど気軽に伝えることができるので、新たな子育て支援のアイディア創出につながるのではないかな、と思い描いています。
そしてこの度、山形県男女共同参画社会づくり功労者等知事表彰をいただくことができました。会員一同本当に嬉しく思っています。結成10年を迎えるにあたり、受賞を励みにこれからも利用してくださる皆さん、そして私たちメンバーが笑顔で「またな~!」と言い合える会を継続していきたいと思います。」