プロフィール
大分県生まれ
1994年 りんりん車いすダンスクラブ発足
1999年 5周年記念“ふれあいダンスフェスティバルin山形”開催
2004年 10周年記念“ダンス・フォー・オール”開催
2005年 第5回全国障がい者・芸術文化祭やまがた大会参加
2006年 りんりん車いすダンスクラブチャリティパーティー開催
2007年 フィリピンを訪れ、国際交流“Nipon・Fil Handicap Association”開催
2008年 チェリアフェスティバル・オープニングアトラクション初出演(以降、毎年参加)
2009年 りんりん車いすダンスクラブ15周年記念“車イスダンスワークショップ”開催
2014年 りんりん車いすダンスクラブ20周年記念 “であい ふれあいダンスフェスティバル” 開催
2015年 「やまのべ福祉のつどい」~車いすダンスと講演会~出演
受賞歴
1996年 「ヤマト福祉財団賞」受賞
1996年 「シャルレウイメンズフェロシップ賞」受賞
2012年 「愛の鳩賞」受賞
2014年 「社会福祉等功労賞」受賞(末廣さん)
チャレンジのきっかけ
欧米では歴史のある「車いすダンス」だが、日本に入ってきたのはわずか20年前。
平成4年に日本で初めて東京に車いすダンスの会が発足、次の年には宮城県に会ができた。
趣味で社交ダンスを楽しんでいた末廣さんは、たまたま宮城県の車いすダンスの会設立パーティーに参加。その時目にした車いすダンスの動きに魅せられ、山形にも同様の会を立ち上げたいと思い始める。「でも、それまで福祉関係に関わったこともなく、何からどう始めたらいいのか見当もつかないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。」末廣さんは山形県身体障害者福祉協会に相談。協会が車いすの人たちに声掛けをしてくれ、レッスン場所も提供してくれることになった。こうして、平成6年に日本で三番目となる『りんりん車いすダンスクラブ』が発足。発会式には東京、宮城の車いすダンスの会の仲間が応援に来てくれた。
チャレンジの道のり
初代会長となった末廣さんは会則を作り、行政に働きかける等、基盤づくりに奔走。
車いすダンスでは、「車いすドライバー」「スタンディングパートナー」という呼び方をする。車いすドライバーが中心となり、スタンディングパートナーは健常者が担う。当初は末廣さんの周りのダンス講師に、スタンディングパートナーとして手伝ってもらった。
障がいのある人、健常者一人ひとりが人としての尊厳を大事にしたいという思いで『りんりん車いすダンスクラブ』を立ち上げた末廣さん。
「最初は車いすの方たちにどう言葉掛けをしたらいいのか、自分の中だけで考え過ぎてしまったこともありました。皆さんが同じ障がいがあるのではなく、中には二重の障がいがある方もいます。車いすダンスは、車いすドライバーとスタンディングパートナーがお互いに支え合い、フィフティ・フィフティの関係で初めて成り立つのです。」
末廣さんは社交ダンスの資格の一つ、JDSFの公認指導員の資格を取り、ダンスの指導も行なっている。
継続することの大変さを時には感じながらも『りんりん車いすダンスクラブ』は、今年23年目を迎える。
現在の活動内容
現在、羽角健二会長のもと、週に一度、県リハビリセンター体育館で練習を行っている。 楽しむことをモットーとしているため、競い合う競技はしない。
また、りんりん車いすダンスクラブ主催のチャリティパーティーを毎年開催したり、 東京、東北6県の車いすダンスサークルとの交流やフィリピンの車いすグループとの国際交流、小・中・高校の福祉学習においての車いすダンス披露等、精力的に活動している。
フィリピンとの交流が実現したきっかけは、末廣さんの友人からの「フィリピンにもこういうダンスの会ができたらいいのに」という言葉から。“アジアに福祉の風を吹かせよう”いう思いを抱き、メンバー6人でフィリピンを訪れた。「けっして裕福ではない福祉の現状にも関わらず、障がいがあっても明るく、人なつっこく前向きな人たち。心のバリアなどどこにもなく、勇気と元気をもらいました。」その後、四泊五日の日程でフィリピンから山形に招き、東北各県、東京の車いすダンスグループも加わって、ワークショップやパーティー等で交流を深めた。

今後の目標・メッセージ
「これからも車いすダンスを通して、障がいのある方々の社会参加のお手伝いをしていきたいと思っています。障がいの有無、民族の差別なく、ノーマライゼーションの理念に基づく活動をしながら、国内外で大きな輪に広がることを願っています。ダンスができない人でも大歓迎です。楽しい会なので、ぜひ見学にいらしてください。」