Am遊’s/あみゅ~ず
チャレンジ分野:

プロフィール

平成21年10月 Am遊’s(あみゅ~ず)結成
平成26年11月 平成26年度「輝けやまがた若者大賞」受賞
平成28年 2月  内閣府「子どもと家族・若者応援団表彰」  チャイルド・ユースサポート章受賞

チャレンジのきっかけ

 Am遊’sは、「親子の絆を深め、親子で楽しむイベントの創造」をテーマに、南陽市で親子向けイベントを実施している若者グループ。現在は20代~30代の男女合わせて8名のメンバーで活動している。
 メンバーの出会いは平成21年。南陽市教育委員会が主催した「南陽市青年教育推進事業」に参加したことがきっかけだった。
 「友人から、“まちづくりに携わる若者を募っているので参加してみないか”と誘われました。南陽市の他地域に住む同世代の方と一緒に活動をすることに興味を抱き、参加を決めました。」(代表髙橋さん。以下同様)
 南陽市青年教育推進事業に参加したメンバーは半年間に渡り、ワークショップを通してイベントの企画立案や運営について学び、その後はグループを作り、コンペティションの優勝を目標に掲げて、楽しみながらまちづくりについて学びを深めていく。コンペへの参加条件は「男女混合のグループを結成し、アイディアを企画すること」。男女混合という条件は、男女それぞれの意見を持ち寄って企画することで、それぞれの良さを活かした企画が生まれるという意義を求めたためだ。こうして6グループが結成。その中のひとつが“Am遊’s”だった。

チャレンジの道のり

 “Am遊’s”は「人を楽しませる」という意味の英語“Amuse(あみゅーず)”に漢字の“遊”を組み合わせたもの。活動テーマである「遊ぶ」という言葉を入れたいというメンバーの想いがこもっている。
 チーム名も決まり、メンバーは目標であるコンペ「夢はぐくむ故郷(まち)南陽コンペティション」の優勝に向け、熱心に案を練り始めた。実はこのコンペティション、優勝賞金が30万円だったのだ。

 「優勝賞金には驚きました。でもその分、楽しく夢をもって企画を考えることができたと思います。私たちは、“地域の中に親子で遊べる場所やイベントが少ないのではないか”という課題に着目し、親子が交流できるイベント、子どもたちが交流できる場づくりを目指して企画を考えました。私たちの子どもの頃を振り返ると、もっぱら外で遊んでいたように思いますが、今の子はちょっと違いますよね。外にはいるけれど、外でポータブルゲームをしている姿を見かけることもしばしばで・・・。そうした会話を重ねながら、初対面のメンバーもすぐに打ち解けていき、楽しく企画を進めていくことができました。」

 こうしてAm遊’sは、南陽市に関するクイズラリーや、烏帽子山での宝探し、そして現在の活動の中心になっているお菓子の家作りなど、親子で楽しむイベントを提案した。惜しくも結果はH21年度が4位、H22年度が特別賞だったが、優勝をめざし共に奮闘した仲間は、その後もまちづくりの楽しさを共有できるかけがえのない同志となった。また、同じようにコンペティションに参加した他のグループも、現在に渡りユニークなまちづくり事業を展開している。

現在の活動内容

 結成当時は20代だったメンバーも今は25歳~30代になり、中には結婚し、親になったメンバーもいる。
 「私は4歳と2歳の女の子の母親になりました。年齢も30代になりましたが、結成当時と同じ想いで活動を続けています。主人もメンバーとして一緒に活動しているんですよ。」
 Am遊’sの活動の中心は、なんといっても『お菓子の家づくり』。年1回、クリスマスの時期に合わせて開いていて、2015年は沖郷公民館防災センターのホールを使用して行った。参加料は2500円。毎年定員を上回る応募もあるほどの人気で、今回は20組が参加した。参加者は、あらかじめ用意されたケーキスポンジを土台にして、ウエハースやチョコプレートなどを使って屋根や壁、ドアなどを作り、生クリームやチョコペン、フルーツなどのトッピングで思い思いにお菓子の家を作っていく。完成した後は、どのようなイメージで作ったのかをみんなの前で発表し、それぞれの作品を楽しむ。最後はじゃんけん大会や、サンタクロースからのプレゼントなどもあり、賑やかにクリスマスパーティ気分で楽しんでいる。
 参加者からは『子ども以上に自分が子どもに戻ったように楽しんだ。』『色々なトッピング材料があったので、楽しく作ることができた。』などの嬉しい感想が寄せられました。私自身も、今回初めてわが子をメンバーと参加させてみて、いつの間にこんなことができるようになったのか、と子どもの成長を垣間見ることができました。」
 
※親子で協力しあってお菓子の家を作る
※完成したお菓子の家
※地域のイベントに縁日を出店し、お菓子の家イベントの資金を集めている

今後の目標・メッセージ

 「お菓子の家づくりは、私たちの恒例イベントとして定着してきましたが、より一層参加者の方に喜んでいただくにはどうすればよいのかと、常に頭をフル回転させています。充実した内容にするためにも、ある程度の資金は必要になるので、私たちは地域のお祭りで駄菓子屋やくじ引きなどの子ども向けの屋台を出店し、資金を捻出しています。いつの日か“実際に人が入ることができる大きなお菓子の家を作りたい”という夢があるんです。今後も知恵を出し合って、必ず実現したいと思います。
 親子で一緒に何かをしようとすると、「こうしたい。」「いや、こうしたほうがいい」など、意見の違いも出てくると思います。ときには喧嘩になることもあるかもしれません。それもすべてコミュニケーション。親と子が一緒に何かを作り上げることで、コミュニケーションを図る良いきっかけになればいいなと願っています。」

 このように熱い想いを持つAm遊’sの活動は多方面から評価され、平成26年度には「輝けやまがた若者大賞」を受賞。また平成28年2月には、県の代表として内閣府の「子どもと家族若者応援団表彰」に推薦され、チャイルド・ユースサポート賞も受賞した。
 「私たちのような若い世代が、親子の絆づくり、イベントを企画しているという事例はあまり多くないようです。これから親になる中心世代の私たちならではの発想で、楽しみながら地域に根ざした活動を続けていきたいと思います。」 

(平成28年2月取材)