食育インストラクター
国井 聡子さん
チャレンジ分野:

プロフィール

河北町出身。農家に嫁いだことで、地元のものの素晴らしさを再認識する。結婚をして子どもを育てるうえで“口から入れるものにはちゃんと責任を持ちたい”と考え、食の勉強を始め、次々と資格を取得。『私たちはシュフ!シェフではないの』を合言葉に、地元の旬の食材を使った少人数の教室を主宰している。

食育インストラクター

薬膳マイスター

食アドバイザー

寒河江市食生活改善推進員

寒河江市社会教育団体食育研究会代表

チャレンジのきっかけ

 「私自身、母親が手作りした料理を食べて育ってきたので、それが普通のことだと思っていました。でも、嫁いでみて、それぞれの家庭で食生活が違うことに気づいたんです。子どもが生まれたことで、子どもは自分が育ってきた食環境と同じように育てたい、手作りの安心で安全なものを食べさせたいという気持ちが強くなりました。」
 子ども達への思いが“食”に携わるきっかけに。その後、食の活動を広げていく中で 資格を持つことの必要性を感じるようになり、子どもが小学生の時、通信教育で食育インストラクター、薬膳マイスター、食アドバイザーの資格を次々と取得していった。

チャレンジの道のり

 初めのうちは地区のイベントの時に手伝う程度だったが、資格を持っていることで地元の自治体から食に関する講座の講師として声がかかるようになる。平成27年に、山形の食文化を伝承していきたいという思いから社会教育団体「食育研究会」を立ち上げ、料理教室をメインにした“食”への取り組みをスタートさせた。

現在の活動内容

 『健康美塾~体の芯からきれいになろう~』というタイトルで定期的に講座を開催。
 自身だけでなく、料理の得意な仲間たちが講師となり、普段の生活の中で使える料理のヒントを教えている。“手前味噌作り”や郷土料理を食べやすくアレンジした“一口笹巻き”等が好評だ。また、料理だけでなく体操したり、アクセサリー作りを楽しんだりと心身ともに健康で美しくなれるようなメニューを企画している。昨年、交流の場となるコミュニティーサロンも開設、ますます活動の場を広げている。
 
 「講座では、食生活について考える時間も提供していきたいと思っています。例えば、テレビやラジオで『○○が体に良い』と観たり聴いたりすると、どうしてもその情報に流されてしまうことが多いですよね。でも、昔から食には地域性があって、『良い』と言われている食べ物や飲み物が全ての地域に住む人に合うとは限りません。『酢を飲むと良い』と言っても、暖かい地域に住んでいる人たちは別として東北に住む私たちは調味料として使うだけで十分なんです。酢は体を冷やす作用もあるので、実は飲まないほうがいい場合もあります。昔からこの地域の人たちが食べていたものや食べ方をについてもっと知ってほしいと思い、様々な場所で食のアドバイスをしています。」
 
 『食育』は子どもや親子を対象にしがちだが、『家庭での毎日のご飯が食育』と捉え、講座や料理教室などを通して大人を対象にした食育指導を続けている。
 
川西町での『手前味噌作り』講座
県内全域の公民館や育成会等で指導

今後の目標・メッセージ

 外国では健康志向が広がり、和食という素晴らしい食文化が注目されている。逆に、日本には外国の食文化が入ってきたことも一因となり、肥満や偏った食事から来る病気が増え、今や医療費は増えるばかり。そうした状況に憂いを感じ、食というテーマで自分ができる社会貢献を続けていきたいと考えている。
 「食事は、自分の判断で口に入れるという行為ですよね。少しでも“食べる”ということに対して意識して生活してもらえたら、社会も変わっていくと思います。」

(平成28年3月取材)