プロフィール
山形市中心市街地にある老舗百貨店の創業家に生まれる。
桐朋学園大学演奏学科声楽専攻卒業。東京で結婚後、平成16(2004)年に帰郷。
平成19(2007)年 | さびれた中心市街地を活性化するための活動を始めるため、任意団体アジェンダやまがたを設立 七日町に「まちなかサロンなのか」を開設する |
平成22(2010)年 | 特定非営利活動法人アジェンダやまがたを設立 |
平成23(2011)年 | 中心市街地で指定障害児通所支援事業を始める |
【受賞歴】
2015年全国商工会議所女性連合会主催 第14回女性起業家大賞特別賞
第5回日本政策投資銀行女性新ビジネスプランコンペティション ファイナリスト
山形市主催 やまがた☆創業アワード2016最優秀賞受賞
山形銀行創立120年記念 山形創生ビジネスプランコンテスト奨励賞
第16回MIT-VFJビジネスプランコンテスト&クリニック ファイナリスト
チャレンジのきっかけ
児玉さんが目指すのは山形市中心市街地に賑わいを創出し、同時にダイバーシティ化を実現すること。性別、価値観、障がいが有る無しに関わらず、それぞれの考え方や生き方を認め、多様性を重視した社会を山形から発信したいと考えている。
平成16年に家族とともにUターンしてきた児玉さんが目にしたのは、人通りのまばらな中心市街地の姿。「中央商店街が疲弊していることにショックを受け、この街を元気にしたいと思ったんです。」と児玉さん。
また、街中に障がいのある長女を遊びに連れて行くと、じろじろと無遠慮に見られることが多かった。こうした現状を目の当たりにし、「中心市街地ならではの利点を生かし街を元気にできないか」「障がい者への偏見を取り除いた社会をつくっていきたい」という思いから『中心市街地での福祉と商業の連携』をテーマに活動を始めた。
チャレンジの道のり
山形市中心市街地商店街の活性化に取り組んでいこうと、平成19年に任意団体アジェンダやまがたを設立する。平成23年までは、七日町で“まちなかサロンなのか”を開き、各種イベントの開催、大人向けカルチャー教室や乳幼児向けの音楽教室の主宰など、来街者を増やすための活動を継続してきた。活動を通し、「中心市街地を利用したい」と思っている子育て世代が多いことを実感した児玉さん。
また、郊外に集中している障がい者への支援施設を市街地に持ってくることで、障がい者への理解が進み、地域が活気づくことにつながればと、中心市街地において指定障害児通所支援事業も始めた。
現在の活動内容
その指定障害児通所支援事業を基盤として、特定非営利活動法人アジェンダやまがたでは音楽を活用した子育て支援・障がい児支援を行っている。児玉さんが専門にしてきた音楽を生かし、発達障害の専門家の監修を受け考案した、音楽を使った療育プログラム≪こだまメソッド≫を提供。小学生以上を対象にした “音楽なかまプリモ”、未就学児を対象にした“音楽なかまアンジェリ”の2事業を運営している。
「一人ひとりの個性に合わせて音に親しんでもらうことで、音楽の楽しさを伝え、関心を持ってもらえるようなプログラムを提供しています。自分とお友達との音を聴くことで、協調性や社会性も育っていきます。」と児玉さんは話す。県内で唯一、発達障害の専門家が監修する音楽教室ということもあって周りの期待も大きい。利用者は1~18歳までの約90人。市外から時間をかけてやってくる利用者も多い。
今後の目標・メッセージ
「私の夢は音楽を使った療育プログラム≪こだまメソッド≫を普及させ、世界中の障がい児とご家族に自信と幸せを届けることです。」障がい児の事業を街中で行い、各店舗と連携した事業(コンサートやイベント等)を順次実施していくことでダイバーシティ化、中心市街地活性化に繋いでいきたいと児玉さん。また、就労支援事業、貧困家庭児童への音楽支援事業等も行っていきたいと考えている。
「どんな時代も課題は山積しています。地域のもつ課題(アジェンダ)を見つけて自分のこととして捉え、リソースの限界を乗り越える強い意思。これがすべてのビジネスの始まりだと思います。」山形から発信する新しい取り組みに期待が高まる。