ぷろぺら商店
チャレンジ分野:

プロフィール

2012年4月     ぷろぺら商店 開業

2013年4月~9月 セレクトショップ ぷろぺら商店 開店(仙台市)

2017年2月     ぷろぺら商店のりちゃくりく展(中山町)

2017年3月     ARTS MEET OKITAMA2017出展(米沢市)

チャレンジのきっかけ

 ぷろぺら商店は、鈴木公人さんと、てづかまよさんの2人が2012年に開業。現在は、南陽市にて、陶芸教室、陶芸作品などの製作・販売、また県内外各地で作品展などを行っている。

 鈴木公人さんは東京出身。東北芸術工科大学美術科工芸コースで陶芸を専攻。卒業後は宮城県にある福祉施設で陶芸の指導を行ったのち、2007年に陶芸教室を運営する会社に入社した。

 てづかまよさんは、南陽市出身。もともと絵を描くことやものづくりが好きだったこともあり、16歳から地元のお祭りやイベントなどで“似顔屋”として多くの似顔絵を描いてきた。その後、陶芸教室の求人を受け入社。こうして2人は、同僚として働くことになった。

チャレンジの道のり

 2人に転機が訪れたのは震災後。一緒に陶芸の世界で独立していこう!と決め、屋号をぷろぺら商店と名付け、活動をスタートした。ぷろぺらは、大空へ羽ばたくために必要なもの。上り調子なイメージがいい。そして、ぱぴぷぺぽ、といった具合に音の響きもまたかわいらしい。
 「これまでは、会社のルールや方針に合せて運営してきました。独立してからは、自分たちの裁量で物事を決めていくことができるというのも魅力です。やれるだけやってみようと、毎日楽しく仕事をしています。」

現在の活動内容

 商品のひとつ、「かぷお」は、マグカップに愛らしい表情が浮かぶ、ぷろぺら商店のオリジナル作品だ。
 鈴木さんがろくろを回して形をつくり、てづかさんが顔の部分を作る。2人の得意分野が融合し、それぞれの良さが光っている「かぷお」は飾っても使っても、ほっこりと癒される、愛らしい作品だ。
 「以前、出張販売の場で出会った方から、オープンする予定のカフェで使用する自分の顔に似た、“かぷお”を作ってほしいとオーダーをうけました。カフェを訪れた方が、インスタグラムなどに投稿してくださるようになり、それもきっかけとなって今では九州や北海道からも注文をいただくこともあり、驚いています。」
 
 もちろん、かぷお以外にも、花瓶や箸置きなど優しい表情を持つ作品はたくさんあり、手に取る人を自然に笑顔にさせている。
 「買いにきて下さる方の反応はとてもうれしいものですね。箸置きは、すべてキャラクターが異なるように仕上げているので、それをひとつずつ手にとりながら、これはパパに似てる、ママに似てるといって、長い時間をかけて家族分を探すお子さんや、目が合っちゃったから連れて帰るわ~、と笑顔でおっしゃっていただく方。大切な作品がそういった方のおうちへ迎えられるのは、本当にうれしいものです。」

 

 陶芸教室や似顔絵製作の仕事ももちろんだが、今現在は、注文に応えるために作品づくりに時間をかけているという2人。作品は、山形市内の雑貨店やお土産店、イベント会場などで求めることができる。また、てづかさんが得意としている似顔絵やイラストは、ぷろぺら商店の二枚看板として、イベントだけでなく、結婚披露宴のウェルカムボードとしても人気がある。
 
一番人気の「かぷお」
ひとつひとつ違う表情を持つ箸置き
器の形を作るのは鈴木さんの担当
てづかさんが描く似顔絵

今後の目標・メッセージ

 「ぷろぺら商店として、2人で活動を始めて良かったと思うのは、“1人よりも2人でするほうが、何事も楽しい”ということ。1人だとただ黙々と行う作業もありますが、2人だと作業を進めながら、これからどんな作品作りをしようか、とか、どんな活動をしていこうか、など話し合いながら、楽しく行えます。もちろん、時には方向性が合わなくて意見がまとまらないこともありますが、似顔絵・イラストはてづかさん、焼き物は私、といった具合に得意分野がはっきりしているので、そこを起点に歩み寄ることができています。2人で協力して行うことで、さらに幅広く活動できています。」(鈴木さん)

 「製作活動をする中で、行き詰まったときなど、気軽に相談することができる相手がいる、というのは心強いことです。方向性に迷うときにも、アドバイスをしあったり、ストップをかけてもらうこともしばしば。客観的に見てくれる人がいるというのは、ありがたいものですね。頭が2つある感覚と言ったらいいでしょうか。あとは、自分の枠を越えることもできるようになりました。自分一人では発想しない選択も選ぶことができるので、自分自身の行動の幅が広がっていく。新しい物事に挑戦できて良かったなと思うことが多くあります。」

 これからも、多くの人に安らぎを与える作品づくりをしながら、イベント出店などを通して、作品に触れてもらう機会を作っていきたいと考えている2人。作品制作以外にも様々な構想があるようだ。
 ぷろぺら商店は、これからも夢を膨らませながら飛び続けて行く。

(平成29年2月取材)