プロフィール
寒河江市宮内生まれ。家族は夫と息子3人。
元小学校教員、元小学校学習生活指導補助員として特別支援の児童も担当する。
2016年に「認定バースカフェガイド」の資格を取得し、山形県内外の各地でほぼ毎月バースカフェを開催している。
現在、小学校での絵本読み語り活動「アンデルセン読み語りの会」、よりよい地域をめざした女性を中心としたボランティアグループ「虹のかけはし」代表。
寒河江市の民生児童委員・主任児童委員、地元小中学校の学校評議員、児童養護施設の理事、福祉作業所の評議員、同市の教育委員、山形大学地域教育文化学部非常勤講師を務める。
チャレンジのきっかけ
元小学校教員で、絵本の読み語りの会やボランティアグループなどのさまざまな地域活動を通して、日ごろから子どもや若者と関わる機会が多くあった鈴木さん。中でも16年間務めている主任児童委員では、学校や家庭での様々な子どもたちの現状を見てきた。
活動の中で知り合った若者からは、直接悩みを打ち明けられるようになった。いろいろな悩みを持つ若者一人一人に、毎日向き合っていた鈴木さんだったが、一対一の力では限界を感じるようになる。「このままではいつになっても皆が幸せになることはできない。人の心の根底にあるものは何なのか。どの子も輝く方法はないのか。」ずっと探してきた鈴木さんは、「いのち」をテーマにした映像を使ったワークショップ「バースカフェ」に出会った。
チャレンジの道のり
バースカフェは、「お産の素晴らしさをもっと日本中に拡げたい!」と詩人であり社会活動家の瀬川映太さんらの主要メンバーを中心に2010年から活動を開始。2011年、東日本大震災で活動は滞ったが、徐々に再開され、2014年以降は全都道府県で毎年開催されており、今では世界15か国にまで広がっている。
鈴木さんは東京の知り合いを通してバースカフェを知り、自身が代表を務めるボランティアグループ「虹のかけはし」のメンバーの協力も仰ぎ、2015年3月に、バースカフェ運営事務局の方に神戸から来てもらい、寒河江市での「バースカフェ」開催を実現させた。
バースカフェでは「いのち」をテーマにした映像を鑑賞することから始まる。その後、グループで映像の感想や自身の体験談などを自由に語り合い、想いを共有する。
「初めて会う人達も多い中、8、9割の人達が自分のいのちの素晴らしさに感動し涙する。その上で、心を開いて自分の気持ちを吐き出している。私は、その様子を驚きと共に、いのちの見つめ直しとこの感情の吐露の場が必要なのではと思った。そして、こういった場をDVDの映像を使いながら進行していく方法なら私にもできるし広めていけると思った。」
「認定バースカフェガイド」になるきっかけは、他にもある。それは将来を担う若者の自死に立て続けに直面したこと。
「自己肯定感の低い人が多い。深い悩みはなかなか打ち明けられない。優しい人ほどいろんなものを抱え込んでしまう。そういう人でもバースカフェに参加して少し心が楽になるかもしれない。そんな場だけでも作っておきたい。バースカフェの合言葉、『生まれてきてくれてありがとう!!』、『あなたはあなたで素晴らしい!!』だけでも伝えたい。そして、参加した人たちは、心の深いところでの繋がりも感じたりする。『あの人がいるからがんばろう』、『困った時にはあの人に相談しよう』と、辛い時や孤独な時に思い出してもらえるかもしれない。」
バースカフェに参加してもらえば「いのちの捉え方が変わる」と確信した鈴木さんは、自分でもバースカフェを企画できるようになりたいという思いから、2016年1月「認定バースカフェガイド第1期生」の養成講座に参加、資格を取得した。
現在の活動内容
「認定バースカフェガイド」の資格取得後の2016年2月からは、ほぼ毎月バースカフェを開催している。鈴木さんは東北ではたった一人の「認定バースカフェガイド」。毎回様々な人生経験をした人たちに出会い、気持ちを感じ取り寄り添っている。県内だけでなく宮城県仙台市でも開催している。
最近では、地元寒河江市での研修会や中学校での講話、そして、大学での講義にも呼ばれて「いのちの講話~バースカフェ」も行う。
地元の中学校での講話では、「辛いことも嫌なこともあるかもしれない。けれども、その経験は自分が選んで生まれてきたと思うとどうだろう。その経験は、これからいのちを使ってやる自分のミッションに繋がっていく。」と伝えた。中学生たちはとても素直に鈴木さんの話に耳を傾けてくれ、「自分のミッションのために頑張ります。」と感想を寄せてくれた。
大学では、教職を目指す先生の卵たち、そして近い将来にママパパになる学生たちへの話なので尚更力が入ったと鈴木さんは言う。
「山形県の教育で大事にしているいのちの教育、自尊感情。一人一人があなたらしく輝いて。そして、教員になってから受け持つ子ども達も一人一人その子らしく輝けるように心に寄り添ってほしい。自分の辛い体験は誰かを励ます生きる力になる。これからは、心の根底には不安や恐れではなく、安心や愛の中で生きられる世の中にしてほしい。」
バースカフェでの感想・母の愛を思い出した |
今後の目標・メッセージ
「これまで抱え込んできた様々な感情をバースカフェ等で解放し、皆と心の中で繋がって安心して生きられる世界になってほしい。自分も他の人も認められて、一人一人その人らしく輝ける世の中になってほしい。先ずはお母さんが肩の力を抜いて幸せに、そうすれば、子ども達も幸せに輝くのではないでしょうか。
これからも益々多くの人にバースカフェを体験してほしい。5、6人集まれば自宅でもどこでも開催できるし、私も出張して行きますのでお声がけください。
また、全国では次々と認定バースカフェガイドが増えている中、東北ではまだ私一人だけなので、今後増やしていきたい。
バースカフェ繋がりで、『パパママ大作戦カンボジアツアー』に参加し、子ども達の支援と交流に行ってきた。日本から世界へ、こちらも興味のある方は宜しくお願いします。バースカフェでは、毎回その人その人に必要な学びと気づきがあります。『バースカフェ』『いのちの講話~バースカフェ』共、どこにでも出張いたします。お気軽にお声をかけてください。」