プロフィール
平成26年11月設立
チャレンジのきっかけ
西川ドリームクラブのはじまりは、代表を務める奥山妙子さんの挑戦がきっかけだった。西川町は県内で最も高齢化率が高いという状況を受けて、常日頃から「町が元気になるために何をすべきか」ということを考えていた奥山さん。高齢者の居場所づくりのアイディアをまとめ、町民提案制度に応募。そのアイディアが採用されたのだ。奥山さんは早速地元海味地区に住む仲間に声をかけ、西川ドリームクラブを設立。高齢者サロン「いってみっぺ」を立ち上げ、活動をスタートした。
「賛同してくれたメンバーは60代~70代の女性で、これまで若妻会や婦人会、そしてPTAの活動を共にしてきた気心知れた仲間です。こうした仲間のおかげで、町を元気にしたい!という想いがかたちになりました。」
チャレンジの道のり
西川ドリームクラブのメンバーは15名。元小学校教師の奥山さんをはじめ、元看護師、元役場職員など、それぞれキャリアウーマンとして活動してきた人が多い。メンバーはそれぞれ調理、会計、買い出し、レクリエーション、お茶出しなどの中から、自分が向いている役割を担い、A班とB班の2グループに分かれて週替わりで「いってみっぺ」の運営にあたっている。
「これまで、責任ある仕事についていたメンバーなので、自分の役割は何かということを自発的に考え、行動することができるんです。チームワークはばっちりですよ!」(代表 奥山さん)
現在の活動内容
「いってみっぺ」の開催は毎週金曜日。1週目は認知症予防の脳トレ。2週目は保健センターの職員による健康指導や健康体操。3週目は、とこしえ西川の職員によるゲーム。4週目は誕生会とカラオケ大会など、週替わりで様々な企画を行っている。また、月に1度、身長、体重、血圧、体脂肪などを測定し、参加者の健康管理にも気を配っている。参加費は1回あたり400円。利用者は80~90代の女性が中心で、毎回15名前後が参加している。
スタッフ手作りの昼食やレクレーションを楽しむ参加者の表情は、皆いきいきとしている。「顔なじみの人達と食事をしたり、ゲームをすることが楽しくて、毎週楽しみ。これが元気の秘訣だ。」「日々の暮らしの中で楽しみなことがあるのは、いいことだと思う。」「1人暮らしなので家だと寂しいが、ここにくればみんなが集まるので楽しい。」「いってみっぺがはじまった時から通っている。できるだけ外に出る機会を増やそうと思っているので、いいきっかけになっている。」このように「いってみっぺ」は、高齢者の生きがいづくりに一役かっていることが伺える。
献立づくりのリーダーは、料理好きで西川町食生活改善推進員も務めている吉見令子さん。
「利用者の意見も取り入れながら、季節に合わせた献立を考えています。かつて家族と暮らしていた時は定番だったカレーも、1人暮らしだと食べなくなるそうで、そうしたメニューは喜ばれますね。」(吉見さん)
食事に加えて参加者が楽しみにしているのは、手作りのお菓子。お菓子作りが趣味だという木村睦子さんが腕をふるう。
「結婚してから、しばらく町外で暮らしていたのですが、35年ぶりに帰郷しました。その際、同級生から誘いがあり、西川ドリームクラブの活動に参加したのですが、このようなかたちで趣味のお菓子作りを活かすことができ、私にとっても居場所ができました。」(木村さん)
今後の目標・メッセージ
「いってみっぺ」の運営は、メンバーにとっても元気の源になっているようだ。催しの企画などを通してメンバー同士の交流を深めたり、昼食の調理は料理教室さながら。皆で暮らしの知恵を共有している。
より良い活動につなげようと、年に2回程度スタッフの研修も行っていて、今年度は山形市内で同じ活動を行う団体を視察し、音楽療法などを学んだ。
「今後はサロン活動のほか、1人暮らしの高齢者宅への訪問、傾聴、ゴミ出しや除雪の手伝いなどにも取り組みたいと思っています。暮らしの中で、知らないふりをせず常に声をかけることが大事だと思うんです。現在は男性の参加者が少ないので、もう少し増えれば嬉しいですね。長く続けることを第一に、お世話をする人、される人がお互いを高め合うことで町を元気にしていきたいと思います。」(代表 奥山さん)
西川ドリームクラブのメンバーは、これからも「いってみっぺ」の声掛けを合言葉に高齢者を支え、地域を元気にするために奮闘していく。