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プロフィール
1974年 天童市生まれ。
英会話関連の企業に勤務。
結婚を機に名古屋から仙台に異動、東北6県と北海道担当となる。
2015年に16年間勤めた会社を退職し、就農。
両親の営む果樹農家を手伝いながら、若い人にも果物をもっと食べてほしいと商品開発にも取り組んでいる。
チャレンジのきっかけ
天童市貫津地区でさくらんぼやリンゴ、ラ・フランスなどを生産する果樹農家に、三姉妹の長女として誕生。就職は県外の英会話関連の企業で、スクール講師を経てマネージャーとして全国の支店やスクールを飛びまわっていた。結婚を機にUターンし仙台勤務になったが、週の半分は出張という多忙な日々を送った。
妹たちが結婚して実家を離れ、両親だけが果樹園を切り盛りしていた。自分がやらないと実家の果樹園は、どうなるんだろうと思うようになり、『農業』という職業の選択を考えるきっかけとなった。
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チャレンジの道のり
両親が営む「まるつね果樹園」は、農薬を極力使わず樹上完熟収穫の果物づくりを続けている。寒暖の差が大きく、水に恵まれた土地で丁寧に育てられた果物は、9割近くが直販で、その美味しさにリピーターも多い。まるつね果樹園の味を守るため、3年前から果樹園を手伝い、剪定などの栽培技術を学んだ。
そして、「勉強できるときに勉強しなさい」という両親の応援もあり、イベントやセミナーなどの集まりなどにはできる限り参加していた。その後「Yamagata goodies」というブランド名で、果樹園や地元の果物を使った加工品の開発・販売もスタートさせた。
結城さんは、就農した2015年に仙台で行われた「新規就農促進フォーラム」(東北農政局)に参加し、「農業女子プロジェクト」のことを知る。農業女子プロジェクトとは、『女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業の技術・ノウハウ・アイデアなどと結びつけ新たな商品やサービス、情報を創造し、社会に広く発信することにより、農業で活躍する女性の姿を多くの皆さまに知っていただくための取り組み(農林水産省)』。
この農業女子プロジェクトにメンバーとして登録し、メールマガジンやSNSを通じて全国の農業女子メンバーの活動に大いに触発を受けて、ドライフルーツなどの商品開発のヒントを得た。
女性の視点を活かした加工品作りや女性が働きやすい環境づくり、海外展開を視野に入れたプロジェクトなど、農業に誇りを持ち、行動力に溢れた全国の農業女子たちの姿を身近に感じることができる「農業女子プロジェクト」との出会いは大きかった。
この活動の一環として、2017年10月には、「農業女子フェアin香港」に参加。レセプションパーティーでは、こずえさんの開発した「Yamagata goodies(ヤマガタグッディーズ)」の商品も展示、試食してもらう機会にも恵まれた。
また、2018年3月には、ニューヨーク国連本部で開催された「第62回国連女性の地位委員会」で、日本の女性農業者を代表してプレゼンテーションを行った。日本の農村の現状を伝え、農業女子プロジェクトを通じて出会った女性農業者のネットワークが、加工や販路開拓などによい影響を与え、結城さん自身の経営発展につながった経験を発信。
その後も、地元の天童市や秋田県横手市の農業高校から講演依頼も舞い込むようになった。
ニューヨーク国連本部にて、日本の女性農業者を代表してプレゼンテーション
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結城さんは、地元、JAてんどう女性部フレッシュミズ部会の代表でもある。部会では、果樹畑の剪定した枝を使った焼き芋作りや、食に関するドキュメンタリー映画の自主上映会など、地域の親子に向けて、食・農・健康に関するイベントを行っている。
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結城さんが手掛ける商品の代表格が、低温でじっくり乾燥させたドライフルーツだ。値段も手ごろで、ちょっとしたプレゼントに喜ばれている。まるつね果樹園で育てられた果物や尾花沢のすいかなど、地元の果物を使用し、旨みがギュッと詰まったドライフルーツは、若い世代にも果物の美味しさに触れてほしいという想いが込められている。
関西地方の果物屋の経営者と情報交換した際、お中元やお歳暮用の需要は減り、誕生日や敬老の日など記念日用の贈り物としてギフト商品販売の強化をしているという話を聞き、これまでのやり方ではなく、時代の流れに合わせて準備する必要性を感じた。
お隣の仙台市で開催される「市」等には年2~3回出店し、旬の果物やドライフルーツ、ジュースなどを販売している。お客様に直接販売することで、商品に対する反応も見ることができ、後から「ジュースを贈りたい」などの連絡がきて、新規顧客獲得に繋がる場合もある。
農業女子プロジェクトを始め、さまざまな出会いをきっかけに、フルーツハーブティー、フルーツピクルスなどの新たな商品も生まれている。
結城さんの作る愛情のこもったドライフルーツやジュース
現在の活動内容
2018年10月、埼玉県の国立女性教育会館が主催する平成30年度アジア地域における男女共同参画推進官・リーダーセミナーでアジア5カ国(カンボジア、中国、インドネシア、韓国、ベトナム)から、男女共同参画に携わる行政担当者やNGOのリーダー9名が来日。この工程の4日目に来県、午前はJAてんどうにて、JAフレッシュミズ部会の活動について結城さんが講義した。午後は長沼果樹園で、農業女子プロジェクトのメンバーが加わり、女性農業者の現在の課題等意見交換を行った。
農業女子プロジェクトを通じて、全国の仲間とは繋がったものの、山形県内の女性農業者と直接会う機会がほとんどなかった。山形県内でもリアルな繋がりを持つことができたら、共に成長しお互いの農園の発展にプラスになるのではと思い、県内の女子農業者をつなぐ活動をスタート。2019年2月には「やまがた農業女子ネットワーク」が始動。今後は、35名のメンバーと共に勉強会や意見交換を行なっていく。
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今後の目標・メッセージ
「一番大事なのは、安全で美味しい果物を作ること。まだ就農して3年なので、技術的なところは両親から教わっていていますが、さらに積極的に学んでいきたいです。また、若い人は果物をあまり食べなくなってきているし、少子化ですから、海外に輸出するということも今後の準備の一環として勉強していこうと思います。
引き続き、女性の視点を取り入れながら農園の経営力向上を目指すため、技術力の向上、新しい分野への学び、そしてみなさんと繋がりを大切にしたいと思います。
やまがた農業女子ネットワークの設立については、それぞれの農園の経営力向上、そして孤立しがちな女性農業者のエンパワメントの推進、女性が活躍することでの地域農業の活性化を目標としています。」