営業部女子課山形支局 代表
山川 唯美さん

プロフィール

1986年   山形市生まれ。東北文教大学卒業後、株式会社エフエム山形に入社。

2017年 2月 女性営業のためのコミュニティ「営業部女子課山形支局」を発足。

代表として、学び、情報交換ができるワークショップや講座を主催。

チャレンジのきっかけ

 入社して8年目に、営業職への異動の辞令が出て、30周年を迎える会社の歴史の中で、初の女性営業となった。扱う商品は、ラジオのCMという音による広告。以前はラジオのタイムスケジュールを担当していたので、どのタイミングでCMを打つと効果的なのか、お客様へ提案ができ、異動前の部署でやってきたことがとても役に立っている。
 当時、他のマスコミの会社でも営業職をしている女性は少なく、相談もできず孤独を感じていた。インターネットで『女性営業』というキーワードで検索したところ、偶然ヒットしたのが『営業部女子課』というコミュニティのWEBサイトであった。

チャレンジの道のり

 営業成績も上がり始め、仕事が楽しくなり、これからもずっと頑張りたいと思っていたが、時を同じくして結婚が決まった。その結婚相手が同業であったこともあり、営業職から外れることになった。

 山川さんは、「大好きなラジオの魅力を伝えたい」と会社に相談し、営業職に近いブランド戦略というイベント企画や広報のような仕事に就くことになった。
 そんな折、「営業部女子課」のWEBサイトに3、4年ぶりにアクセスしてみると「各地方で営業女子を応援する人を募集中」という記事が目に飛び込んできた。
  自分と同じように、営業部には所属していないけれども、お客様とコミュニケーションを取って販売したり、会社の利益につながるよう一生懸命に働いている女性をバックアップしたいと思った。悩みを抱えている女性がたくさんいるのではないかと思い、そういった山形の女性達が交流し、つながることのできる「場」を作りたいと「営業部女子課」の本部に連絡を取り、2017年に山形支局を立ち上げた。全国では28番目の開設となる。皆前向きで、多種多様な業種、様々な立場や考え方に学び合える場となっている。

 結婚後もフルタイムで勤務しながら、会社の許可も得て「営業部女子課山形支局」の活動をスタート。定期的に、イベントや講座を企画・プロデュースした。地元の講師を招き、働く女性に向けた「自分ブランディング」やコミュケーションに関する講座を開催してきた。

 2018年1月14日には、『ライフプランに合った未来の働き方 ~これからも、山形で働き続けるあなたへ~』を、山形県男女共同参画センターチェリアの助成を受けて開催。営業部女子課主宰の太田彩子氏とGoogleの岸田明理氏を講師に迎え、自分らしい働き方やITを活用して時間にも場所にもとらわれずに働くといった未来志向のセミナーとなった。その後のワークショップでは参加者が意見を交わし、いろいろな働き方があるという気付きにつながった。

『ライフプランに合った未来の働き方』2018年1月14日

現在の活動内容

 営業部女子課山形支局は、現在山川さんと特派員2名で活動している。
  2018年6月には、山形支局ママ課として、子育てに役立つマザーズコーチングも開催。
  2018年12月、飯豊町で山形県と宮城県合同での勉強会「営業&仕事に活きる!輝くあなたの為の礼儀作法 講座」を開催。「挨拶や名刺交換など、これでいいの?が解消された時間」と喜びの声をもらった。

「営業&仕事に活きる!輝くあなたの為の礼儀作法 講座」

 2018年9月発行の広報誌チェリア52号(山形県男女共同参画センターチェリア発行)では、高木館長のナットク対談「多様な働き方について考える」の誌面に山川さんが掲載された。菅原明香さん(ナリワイALLIANCE 代表)、館長 高木直(山形県男女共同参画センターチェリア)との3人の対談で、営業部女子課山形支局の活動を語った。
 また、チェリア塾(山形県男女共同参画センターチェリア主催)11期生として基本コースとその翌年に開催された実践コースに参加。出産前後も含め積極的に学び、男女共同参画について知識を深め、ともに成長し合える仲間を増やした。

 昨年第一子を出産し現在は育児休業中。パソコンを使っての活動も積極的に行い、SNS上で「山形ママコミュニティ」を起ち上げた。そこに関心を寄せた約70名のママ達と育児等に関する情報交換をしている。

今後の目標・メッセージ

 子育てをしながら営業部女子課山形支局の活動も行っている。子育てのこと、働き続けることと悩みは尽きない。
「産休中、仕事は休みですが、身体と脳みそはとても元気だったりします。仕事に対する意欲があり、私という人間は変わらずここにあるのです。
 昨年のセミナーで、googleの社員がテレワーク(情報通信機器を使った在宅ワーク)を活用していることを学び、多様な働き方については毎日考えています。
 産休・育休中は、国からのサポートがあるが、働いていない自分が家庭にいるということがなんとなく悔しいように感じてしまいます。そのことを夫と話し合った時は、『子育てすることが働くことだ』と国が言っているのではないかと。まあ結論は出ませんけどね。
 今後もSNSやイベントでの交流を通じて、働く人や子育て中の悩みが少しでも軽減できるよう今できることをどんどんやって行こうと思います。」

(平成30年12月取材)