大人絵本山形 代表
武田 和子さん
チャレンジ分野:

プロフィール

東京や山形で38年間教員を勤め、一男三女、4人の子を育てあげる。

退職後は、絵本セラピストや魔法の質問マスターなどの資格を取得。

大人にも絵本の魅力を伝えるため「大人絵本山形」を起ち上げる。子どもからお年寄りまで幅広い年代を対象に、「絵本の力」を広める活動を行なっている。

大好きな言葉は、「0歳から100歳まで、絵本っていいずね~」

チャレンジのきっかけ

 山形県で生まれ、一男三女の子育てをしながら、東京や山形で38年間教員を勤めてきた武田さん。

 4人の子どもたちが巣立ち、定年退職をして孤独を感じていた頃、大人のための絵本セラピーという資格を知った。「大人絵本の力」に気づき、その驚きと発見を人と分かち合いたいと思い、絵本セラピスト協会の講座を受講。「私でも大好きな絵本ならきっと資格を取得できる」と思った。しかし、受講前に100冊の絵本を読むという課題があり、知っていた絵本はわずかだった。自分の思い込みの違いに愕然としながらも、未知の世界への一歩が始まった。

 絵本セラピストの資格を取得後、大人の方にこそ絵本の良さを感じてもらいたい、そして人と人を繋げることもできればと、ワークショップ等の活動をスタート。さらに、様々なことをもっと学びたくて放送大学へ入学。他に、食と健康アドバイザー、魔法の質問マスター、シナブソロジーインストラクターなどの資格を取得した。

チャレンジの道のり

 5年前にスキーで転倒、骨折治療で入院しリハビリを行っていた時、同室であったMさんに初めて、「大人絵本」を紹介した。Mさんは、ある日突然半身不随になったので、生きることの素晴らしさを伝えたく、今の自分の存在価値を見出して欲しいと思い作ったのが大人絵本のプログラム。Mさんには楽しんでいただくことができた。
 彼女のために行ったのだが、逆に自分も癒やされていた。その後、月1回テーマを決めて、この活動をコツコツと続けていこうと思った。「大人のための絵本」ワークショップは、現在も継続している。

  2018年は、大人絵本を更に広める年となった。東北芸術工科大学と共催で、元県知事公舎のやまがた藝術学舎で「絵本を楽しむ暮らし4回講座」を開催。コミュニテイデザイン学科のSさんにチラシやFacebookページを、Kさんたちに託児などを依頼。若い方の協力を得られた。
 また、絵本セラピスト協会代表の岡田達信氏を山形に招いて「絵本はこころの架け橋 講演会」を主催。県内外から参加した120名に、大人絵本のことを伝える機会となった。

 山形市民企画講座「心も体も元気アップ ―絵本とシナプソロジーで―」を山形市男女共同参画センターファーラにて開催。
 さらに、山形市が2016年から開催している「山形まるごとマラソン」の絵本版として、参加者が絵本を紹介しあう「やまがた絵本マラソン」も行っている。他に、東北文教大学の会報「民話」への原稿執筆や、上山市立図書館読書週間にて「大人絵本講座」を開催するなど、活動の幅が広がった。

 
講座や講演会を積極的に行っている
 

現在の活動内容

 ワークショップ「大人のための絵本」は、2018年12月で第35回を数える。参加者からは、「心を素直にして感じるって気持ちがいい」とか、「心のこりがほぐれたかもしれない」などのコメントが寄せられた。絵本の読み聞かせをするだけでなく、脳の活性化につながるシナプソロジーや「顔ヨガ・眼ヨガ」なども取り入れつつ行なうワークショップは、毎回、季節に沿ったものや、色、作家などに焦点をあてたテーマを設け、絵本を準備している。

 また、朝日町の福祉施設を訪問して、施設利用者とスタッフに向けて「ストレッチと絵本」、さらに「歌を歌う会」も行った。他に、退職者公務員連盟、いきいきサロン、篠田総合病院健康教室、上山市自立支援施設、明治安田生命、薬局、山形放課後子ども教室、山形寺子屋塾など様々な場所で活動している。

ワークショップでは脳活性化につながるシナプソロジーや「顔ヨガ・眼ヨガ」なども取り入れている

今後の目標・メッセージ

「今年は、スイス・オーストリアに住む友人を訪問して、大人絵本の体験をしてもらう計画をしているんですよ。
 これからも笑顔と健康長寿を目指すコミュニテイ作りと『絵本の力』を広く伝えることをコツコツ続けます。自分の人生という物語をどう展開するか楽しみです。そしてお一人おひとりが持つそれぞれの人生の物語同士を繋げることができたら、なお嬉しいことです。」

(平成30年12月取材)